横浜市教委、今年も中学教科書採択へ 「つくる会」系の合格受け

横浜市教育委員会

 自由社の中学校の歴史教科書が2020年度に文部科学省の教科書検定に合格したことを受け、横浜市教育委員会は昨年に引き続き今年も市立中学校の教科書採択を行うと決めた。13日の教育委員会で再採択が承認され、委員からは「ルールなら仕方ないが、心情的には理解できない」などと否定的な意見も上がった。

 自由社は、戦後の歴史教育を「自虐史観」と批判する「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ。

 文科省によると、自由社の歴史教科書は19年度の教科書検定で多数の欠陥が指摘されて不合格となったが、20年度に再申請して合格。通常4年ごとの採択に合わせて検定を受けるが、制度改正で翌年度の再申請が可能となり、自由社が初めて適用された。

 採択の実施は任意だが、市教委は公正・公平性の観点から「手続きを踏むことが必要」と判断した。

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