原爆症認めず、最高裁が上告不受理 敗訴確定 長崎の女性

 長崎市で被爆した市内の女性(83)が国に原爆症認定を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は20日までに、女性の上告を受理しないと決定した。女性の訴えを退けた一、二審判決が確定した。
 原告側弁護士によると、決定は18日付。通知文では最高裁の判例に反する場合や、法令解釈に重要な事項を含む場合に上告を受理できるとする民事訴訟法の条項に照らし、今回の訴えは「上告理由に当たらない」とした。
 女性は原爆放射線で慢性肝炎を発症したとして、原爆症認定を求めていた。女性ら5人が提訴。長崎地裁は2人を原爆症と認めた一方、女性については「放射性起因性が認められない」などとし、女性ら3人の訴えを棄却。女性ら2人は控訴した二審福岡高裁でも敗訴し、女性だけが上告受理を申し立てていた。

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