五輪ナマで見たかった!?無償ボランティア医師に定員の倍の応募

五輪ボランティア医師に応募殺到の理由は…

東京五輪・パラリンピックで活動するスポーツ医のボランティア制度に批判の声が上がる中、応募者の中からは前向きな声が上がっている。

東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本スポーツ協会を通じて200人程度募集したスポーツドクター。新型コロナウイルスの感染拡大や医療現場の逼迫などの影響で一時は希望者が募集の半数以下にとどまった時もあったが、最終的には395人が応募した。新型コロナ禍で医療体制が逼迫する中、大会の医療スタッフの確保が課題となっているが、協力に前向きな医師が一定程度いる実態も明らかになっている。

同組織委員会は医療関係者の確保について、1人5日の参加を前提に計約1万人を計画。「大会指定病院」として30か所の整備を進めるが、新型コロナの感染拡大に伴いさらに500人の看護師を確保する方針だ。

スポーツ医は、大会開催期間中に競技会場などで熱中症や新型コロナ感染の疑いがある人、体調不良を訴えた観客などの対応にあたるが、交通費などを除いて報酬は支給されずボランティアとしての活動となる。これに対して、リスクある仕事を無償で働かせようとしているなど批判の声も上がっている。

だが、応募した医療従事者らには「医師として東京五輪に携わった」という自身のキャリアにもつながると前向きな考えを持つ人もいる。ほかにも意外な理由で応募する医師も。

ある医療従事者は「知り合いの医者がスポーツ医に応募していたが、その人はボランティア精神というよりも、オリンピックの競技を近くで見られる絶好のチャンスだと考えているんです。感染拡大の影響を懸念して開催を良く思わない人もいるが、その一方で楽しみにしている医療従事者もいる」と明かす。

実際に応募者は予定人数の約2倍集まった。医師不足にならなかったことは良かったのかもしれない。

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