4度目のポールを狙うディクソンがインディ500予選1日目トップ。琢磨は15番グリッド決定

インディアナポリス・モータースピードウェイで行われる伝統の一戦、第105回インディアナポリス500マイルレース。予選1日目が22日に行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がトップを奪った。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、翌日のファストナイン・シュートアウトに進むことができず、15番グリッドとなった。

 連続4周を走行する“アテンプト”の平均速度で争うインディ500の予選。アテンプト順は前日のくじ引きで決定する。

 最初にコースへと向かったのは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)。ディクソンは1周目を232.574mph、2~4周目を231mph台で走行し、平均231.828mphを記録。プラクティスから速さを見せるディクソンがいきなり好アテンプトを見せ、ライバルたちにプレッシャーをかける。

 続いて昨年のポールウイナーのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ)が登場するも229.261mphと振るわず。

 続いてライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がアテンプトへ。2014年インディ500ウイナーは231.139mphを記録する。続いて3度のインディ500ウイナー、エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)がアタックし、ハンター-レイを上回る231.164mphを記録し2番手に。

 8番目にアテンプトするのは、2013年のインディ500ウイナー、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ)。1周目を232.348mphで走行すると2周目は231.845mph、3周目を231.435mphとディクソンに迫るも4周目を230.934mphと落とし2番手となる。

衰えぬ速さを見せるトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)

 佐藤琢磨は12番目にアテンプトへ。ウォームアップ走行を218.107mphで走行した琢磨は、1周目を231.386mph、2周目は230.857mphに落としてしまい、3周目は230.525mph、4周目を230.067mphで平均230.708mph。この時点でリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)の後ろとなる6番手と期待したアテンプトとはならなかった。

 19番目のアテンプトは、エド・カーペンター・レーシングのオーナードライバー、エド・カーペンター。過去の3度ポールを獲得しているオーバル職人は、1周目を232.239mphと好ラップを見せると残りを231mph台で走行。平均231.616mphで3番手につける。

 アテンプトが進むも徐々に路面温度も高くなり、スピードアップが厳しい状態となり、25番目にアテンプトとなった琢磨のチームメイト、グラハム・レイホールも平均230.521mphで12番手に留まる。

 そんな状況のなか、チップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウは、平均231.145mphを記録し5番手に。琢磨はここで10番手に落ちてしまう。

30番目にアテンプトを行うコルトン・ハータは1周目を232.364mphをマーク。2周目を231.872mph、3周目を231.421mphにまとめ、勝負の4周目は230.940mph。平均231.648mphでディクンには届かず2番手。

各車1回ずつアテンプトを終えると、ディクソンが変わらずトップ。2番手にハータ、3番手にカナーン。琢磨は13番手となる。

 残りは3時間強。翌日上位9台で行われるファストナイン・シュートアウト進出あるいは、グリッド確定の30番手以内を目指して、再アテンプト合戦が始まる。

 最初に2回目のアテンプトを行ったのは、苦しむペンスキー勢のジョセフ・ニューガーデン。しかし、20番手とスピードは伸びない。

続いて12番手のリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がファストナインを目指し再アテンプト。1周目を232.086mphと速さを見せ、平均231.483mphで5番手に入る。

 7番手からさらに上位を目指しセカンドアテンプトに挑んだパロウは、3周目のターン2でウォールにクラッシュ。マシンも大破してしまう。

ガレージに運ばれるアレックス・パロウの10号車

 残り1時間を切って気温が下がりだすとスピードも上がり、アテンプトを行うレーンも込み合いだす。琢磨もセカンドアテンプトへと向かうもスピードが伸びず途中で断念。3回目へのアテンプトへ向かったが、直前で時間切れとなった。

 結局1番目に好アテンプトをみせたディクソンのスピードに誰も届かず、予選1日目はディクソンがトップ。2番手にハータ、3番手にカナーン。シボレー勢はカーペンターが4番手でトップ。チームメイトのリナス・ビーケイが続く。

 4度目のインディ500優勝を目指すカストロネベスが6番手。クラッシュを喫したパロウが7番手。ハンター-レイ、そしてファストナイン・シュートアウト最後のイスは、マーカス・エリクソンが獲得した。

 チップ・ガナッシ勢が4台、アンドレッティ・オートスポート勢が3台、そしてエド・カーペンター・レーシング勢が2台という構図に。

 佐藤琢磨は15番手グリッドとなった。今年もファストナインにペンスキー勢は進めず。ウィル・パワーは、最初のアテンプトで229.052mphと沈み、その後もう一度アテンプトを行ったが30番手以内には入れなかった

 パワーは、セージ・カラム、チャーリー・キンボール、シモーナ・デ・シルベストロ、RC.エネルソンと共に31~33番グリッドを争うラストロウ・シュートアウトに進むことになった。

 第105回インディ500のポールポジションを獲得するのはどのドライバーか? 23日の予選2日目に、決勝へ進む全33グリッドが決定する。

12回目のインディ500は5列目15番グリッドから挑む佐藤琢磨
30番グリッドを獲得したダルトン・ケレットを称えるシモーナ・デ・シルベストロ

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