絶妙なキャスティングで良作に仕上がった映画『くれなずめ』

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5月15日~16日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)で、映画「くれなずめ」が80館という中規模以下の公開ながら、9位に入った。

同作は、「アズミ・ハルコは行方不明」「君が君で君だ」の松居大悟監督が、自身の体験を基に描いたオリジナルの舞台劇を映画化。

友人の結婚式で余興を披露しようと久しぶりに再会した高校時代の旧友同士が、結婚式の披露宴から二次会までの間、自分たちの過去に思いを巡らす様子を描く。

「タイトルの『くれなずめ』は、日が暮れそうで暮れない様子を表す『暮れなずむ』を変化させて命令形にした造語。『前に進もうとも様々な障害が立ちはだかったままで思い通りに進めない』という意味合いだが、終盤に向かって“ネタばらし”される中で、徐々にタイトルに込められた意味が十分に理解できる。単館系の上映ながら、SNSの口コミで集客を伸ばしている」(映画ライター)

物語の中心は高校時代の帰宅部の仲間たちだが、演じる俳優たちの個性はバラバラ。

主人公を演じているのはモデルから俳優に転身し、このところ演技の評価が急上昇中の成田凌。そして、その友人達を演じているのが、数々の映画賞を受賞している高良健吾、幼少期から大衆演劇で活躍していた若葉竜也、パンクバンド・在日ファンクのボーカル兼リーダーの浜野謙太、同年代の俳優の中でも注目株の藤原季節、ぼくとつなキャラクターの目次立樹。

さらに、城田優、前田敦子、滝藤賢一らも作品のスパイスになっている。

「絶対同年代に見えない成田らだが、それぞれの個性が中和して抜群のバランス。あの組み合わせだったから、今作は良作に仕上がった」(芸能記者)

そして、主題歌は人気バンド・ウルフルズの「ゾウはネズミ色」。97年の同バンドのヒット曲「それが答えだ!」のアンサーソングだというから、エンドロールまでスクリーンに注目だ。

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