〈糸魚川新任インタビュー〉糸魚川総合病院院長 山岸文範さん(62)

働きやすい病院へ改革

 副院長から院長に就任し「想像以上に大変。さまざまなことに考えを巡らせ、寝つけない日もある」と重責、やりがいを話す。周囲の協力で夜勤の診療を外れたが「現場の大変さが分からなくなってしまう」と外来、救急シフトは続ける。

 同病院は、新型コロナウイルスワクチンの接種会場になっている。「感染防止の大きな柱。スピードアップし、若い人まで完了できれば」と展望し、市や医師会、県と連携。院内感染防止も徹底している。

 少子高齢化は病院経営を圧迫する。医師、看護師ら人材確保も課題。対策の一つが富山大附属病院との連携による「サテライトセンター」の開設。「〝医療の交流人口〟で強みを生かし、一流の医療を維持できる」と話す。

 魅力ある、選ばれる職場に向けて、働き方改革で政府への提言も行っている株式会社ワーク・ライフバランス(小室淑恵代表取締役社長)のコンサルティングを受ける。「一般社会の改革を病院に持ち込む〝黒船〟のようなもの」。「全職員の幸せを考え、北陸、新潟で一番働きやすい病院にしたい」と目標を掲げ、そのことが地域、市民のためにもなると信じる。

 肝臓等が専門の外科医。富山医科薬科大(現富山大)大学院を修了後、同院に勤務、尊敬しうる先輩医師に出会い、富山と共にこの地が医療従事の場所になった。「患者さんも良い人が多い」と愛着を話す。

 長野県中野市出身。趣味は天体写真撮影など。

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