IRに横浜港・山下ふ頭を貸し付けるな 市民5団体が住民監査請求

住民監査請求について会見する大川弁護士(左)ら=横浜市役所

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を巡り、「かながわ市民オンブズマン」など市民5団体は25日、予定地の横浜港・山下ふ頭(横浜市中区)の市有地をIR事業者に貸し付けたりしないよう市に求める住民監査請求を行った。請求が却下、あるいは棄却された場合は住民訴訟を起こすとしている。

 請求では、IRの根幹をなすカジノ事業について「依存症患者の存在があってはじめて成立する」と指摘。カジノ事業を地方公共団体が助長することは精神保健福祉法に反する行為とした。

 この日請求したのは、オンブズマンのほか「市民の市長をつくる会」「横浜市民団体連絡会」「横浜市民の財産を守る会」「食政策センター・ビジョン21」。

 市役所で同日会見したオンブズマン代表幹事の大川隆司弁護士は「カジノを誘致すること(の賛否)が8月の市長選の最も重要な争点だ」と述べ、「市長選のための判断材料を市民に提供したい」と訴えた。

 オンブズマンによる同様の請求は2017年9月、20年3月に続き3回目。過去2回は市監査委員がいずれも却下した。オンブズマンは20年に市を提訴する住民訴訟を起こしたが、横浜地裁は今年2月、原告側の訴えを却下した。

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