西武・平良をメジャースカウトが注視 「あのサイズであのスピードはラテン系投手の典型」

西武の平良海馬投手

西武の〝ラテン系右腕〟平良海馬投手(21)にメジャーが大きな関心を寄せている。

今季の平良は開幕からここまで23試合(22回2/3)連続無失点を継続中の防御率0・00。1勝19ホールド2セーブと守護神・増田が二軍再調整する中、西武ブルペンの柱となっている。

その活躍をもちろんメジャー各球団も注視しており「あのサイズ(身長173センチ、体重100キロ)であのスピードボールとコントロールはラテン系投手の典型。エンゼルス・大谷(身長193センチ、体重102キロ)とは対極にいる」(ア・リーグ球団スカウト)と評価されている。

彼らのいう「ラテン系」とは身長、腕の長さなど投手としての体形には恵まれていないが、その〝マメタンク〟のような風貌の中にも強さ、スピードを兼ね備えた中南米に多いタイプの投手のことを指す。

それでも身長173センチは「メジャーにもいないミニマムサイズ。ただ、あの体形から160キロの4シームを投げてスライダー、チェンジアップも含めた全体の制球もいい。どんな条件だろうと軸に160キロの速球があればそうそう打たれない」(前出スカウト)と平良の投手として特別な立ち位置を強調する。

また、ラテン系の特徴である形にとらわれない独自の投球フォームにもメジャーは着目している。

前出スカウトは「例えばドミニカの子供の中にも小さい頃から形はめちゃくちゃだけど、体の強さで独自のフォームから凄い球を投げている子がいる。平良が育った石垣島にも指導者がむやみに子供をいじらない同じような文化がある。元々キャッチャーだった彼がピッチャーに転向して、あの独特のテンポのスライドステップ(クイックスロー)が誕生したのだとすると非常に興味深い」とコメント。

その調査の幅は平良の出身地である沖縄・八重山諸島にある石垣島とカリブの野球大国・ドミニカ共和国との共通点探しにまで及び、平良が与えているインパクトの大きさを物語っている。

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