待望のDVD化! KOUGU維新のミュージカルにはあの超人気作からの影響も? きつねが明かす舞台裏

「有吉の壁」(日本テレビ系)の1コーナー「ブレイク芸人選手権」から誕生したKOUGU維新。もともとは、きつねの大津広次演じる“プラスドライバ”と、淡路幸誠演じる“平やっとこ”が中心となりスタートしたが、第2弾以降、「有吉の壁」出演芸人たちが続々と参加。番組への登場に加え、YouTubeでの独自企画や生配信などの展開もあり、その作り込まれた世界観とちょいダサな“2.7次元アイドル”たちの姿が、SNSで大きな話題に。ファンを拡大していくこととなった。

そして、KOUGU維新立ち上げ時から実際にミュージカル公演を考えていたという大津の構想が現実のものとなり、昨年末、ミュージカル「最初で最後のミュージカル KOUGU維新±0 ~聖夜ヲ廻ル大工陣~」を配信。さらに、親方様(=ファン)の熱い要望を受けて、DVDリリースが実現した。そこで、今回はKOUGU維新を立ち上げたきつねの2人にインタビュー。ミュージカルの舞台裏や出演芸人たちとのエピソードを語ってもらった。

——念願のミュージカル配信が実現し、ついにDVDがリリースとなりました。

大津 「まさかここまで実現するとは思ってもいませんでした。夢がかないましたね」

淡路 「ミュージカルをやるとなった時も、DVD化までは決まっていなかったですから」

大津 「DVD化が決まったと聞いた時は、驚きました。グループLINEにサプライズニュースとして飛び込んできたので(笑)」

――シソンヌの長谷川忍さんも、ミュージカルの配信をご覧になったそうですね。

大津 「そうなんです。わざわざチケットを購入してくださって」

淡路 「優しい…」

大津 「長谷川さんも立派な親方様やなと思いました(笑)」

淡路 「『金出して見たらいくらでも文句言えるからな』って言われましたけど、1回も文句を言われたことがないんですよ。たぶん、感動したんやと思います(笑)」

大津 「最後まで見てくれたそうで、感想を言ってくるわけではないですけど、かみしめてくれているなというのは表情で分かりました。長谷川さんは役者としてもいろいろな作品に出ているので、『これからの芝居に生かそう』と思っているんじゃないかなと思います」

――ミュージカルでは、大津さん演じるプラスドライバと、パンサー・向井慧さん演じるマイナスドライバ兄弟の愛憎が描かれます。この2人の話にしようというのは最初から決めていらっしゃったんですか?

大津 「そうですね。やっぱり、ミュージカルには“感動”が大事だなと思うんです。それで、見てくださる方に感動してもらうにはどうしたらいいかと考えて、この兄弟の関係性に焦点を当てようと。一番謎に包まれていて、親方様たちが関心のあるところだと思ったので、そこに注力しようと思いました」

――光属性の弟にコンプレックスを抱く闇属性の兄という、“エモい”関係性ですもんね。

大津 「兄弟間のああいう関係って定番でもありますし、皆さんが見たいところだったと思うんです。それに、『鬼滅の刃』がすごく話題になっていたので、バトルものの中に人と人とのドラマがあるとウケるのかなっていうのもありました」

淡路 「あ、『鬼滅』の影響やったんや(笑)」

――ミュージカルにはたくさんの芸人さんが参加されていますが、KOUGU男士にまつわるエピソードは何かありますか?

大津 「無神さん(パンサー・向井)は、ふざけるところはふざけるけどやるときはやる、というスタンスで。自分の中で納得がいくまで追求するんですよ。殺陣でも『これは右から? 左から?』みたいな細かいところまでこだわっていて。ほんまに直前までおさらいして、誰よりも真面目に取り組んでくださっていました。よく『やりたくてやってるんじゃないよ』っておっしゃっていますけど、あれは絶対にうそです(笑)」

淡路 「(「有吉の壁」のコーナー「ブレイクアーティスト選手権」に登場した)“美炎”でのあの姿を見たら分かると思います」

大津 「演じることが好きなんでしょうね」

淡路 「『やりたくてやってるんじゃない』っていうスタンスなんですけど、誰にも見られないように自撮りして、SNSに写真を上げてくださって(笑)」

大津 「あと、ワタリ(119)くんはすごくヒーロー像にこだわりを持っていて。(ワタリが演じる)砥石は“パワー系”なのに武器が鍵盤ハーモニカっていうことが納得いかなかったらしくて、一時期、腕に鍵盤ハーモニカを巻いて『こういうファイトスタイルにしてもいいですか?』って聞いてきたことがありました(笑)。でも、『それだと工具と一体になっているから工具リベリオンになってしまうな』という話をしたら、本人も納得して、鍵盤ハーモニカはそのまま手で持つことになったんですよね」

――今のお話もそうですけど、大津さんの中で設定がすごくしっかりしていらっしゃるんですね。正義側のKOUGU維新と、彼らとは相反する存在である工具リベリオンと。

大津 「(早口で)KOUGU維新は擬人化した工具ですけど、工具リベリオンは機械化した工具なんです。人の心を持って活動しているKOUGU維新と、人の心を失って活動しているリベリオンの対立構造になっていて。より情緒感を大事にしているKOUGU男士たちに対して、効率を重視しすぎてすべてを機械化し、情緒を失わせ、人間らしさを狂わせていくのがリベリオンなんですよね」

――すごいです(笑)。淡路さんは、こういった設定についてはどれぐらい関わっていらっしゃるんですか?

淡路 「最初は2人で作っていたんですよ。でも、途中ぐらいから、『細かいところを言い合ってるともめるから、もう時間がないぞ』ということになって、任せるようになりました(笑)」

大津 「ははは(笑)。そうですね、“祇園編”くらいからですかね。歌詞一つ一つでもめだした時期があったんですよ。『サビの歌詞、こっちの方がいいんじゃない?』みたいなことで真剣になりすぎて、一時期ほんまにぶつかりあいになったんです(笑)。で、よくよく考えたら『何でもめてんねん! マジで時間がもったいない(笑)』ってバカらしくなって、任せてもらうことになりました」

――そんなきっかけがあったんですね(笑)。では、最後にあらためてDVDの見どころをお願いします。

大津 「あの日のことを思い出すメモリアルとして見てもらってもいいんですが、まずは原点に立ち返って、“この人たちは芸人さんである”ということを思い返してもらえたら(笑)。勝手に集まって勝手にミュージカルをやっているという情報をあらためて整理してから見ると、より面白く見られるんじゃないかと思います。感情移入して見てもいいですし、俯瞰で見てもいいですし、いろんな角度から楽しんでもらえると思います」

淡路 「このDVDは、お笑いのファンじゃない人とも一緒に見てほしいですね。例えば、家で“たこパ”する時にさりげなく流したりして、何も知らない人をびっくりさせてほしいです(笑)」

【プロフィール】

きつね
小学校からの同級生だった大津広次と淡路幸誠がコンビを結成し、2014年デビュー。歌謡曲とサンプラーを使ったEDMを掛け合わせた“パリピ漫才”で注目を集める。現在「有吉の壁」(日本テレビ系)などに出演中。レギュラー番組に「きつねのこんこんらじお」(NACK5)、「Listen to my dark!!」(FMヨコハマ)など。音楽雑誌「MG」NO.5(5月28日発売/東京ニュース通信社刊)から新連載「きつねのこんこん七変化」がスタート。

【リリース情報】

DVD 「最初で最後のミュージカル KOUGU維新±0 ~聖夜ヲ廻ル大工陣~」
発売中 ¥2,750
発売元:バップ
©NTV

昨年12月24日に配信されたミュージカルを収録。KOUGU男士たちがクリスマスパーティーを楽しむ中、反乱軍・工具リベリオンによる計画が始動し、KOUGU維新のプライドを懸けた熱きバトルが勃発!? 特典映像にはメーキングや反省会も。


●DVDリリース記念 トークイベント
日時:2021年5月29日(土)1部 11:30開演/2部 13:30開演
会場:茨城・イオンモール土浦 専門店街1F 花火ひろば
出演者:
プラスドライバ(乙ルイ/きつね 大津広次)
平やっとこ(平やっとこ/きつね 淡路幸誠)
キリ(宮布いつき/トム・ブラウン 布川ひろき)
鉄槌(音道わたる/トム・ブラウン みちお)
巻尺(KATA/空気階段 水川かたまり)

●タワーレコード限定コラボ施策
内容:特別レシート発行、パネル展
対象店舗:タワーレコード 新宿店/タワーレコード 梅田大阪マルビル店

※トークイベントの出演者および内容は予告なく変更となる場合がございます。
※詳細・参加方法はスペシャルサイト(https://www.vap.co.jp/kougu/)をご確認ください。
※感染症対策に関してもご確認ください。

取材・文/高瀬純 撮影/須田卓馬

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