岩上神社の真下 「大岩」にしめ縄掛け 糸魚川市大洞区 住民のよりどころに

 糸魚川市大洞区(横山武区長)は、集落の外れにある「大岩」の周辺整備をし、住民のよりどころ、シンボルにする構想を進めている。

 この大岩は高台に立つ氏神・岩上神社の真下、北陸自動車道筒石トンネルと山王トンネルのつなぎ目付近にある。地区には縄文時代の遺跡も残り、自然信仰を想起させる不思議な形をしている。

 集落の中心部、住民の信仰を集める「地蔵堂」から岩上神社と大岩を一望できる。横山区長(74)は、草木に埋もれていた大岩の価値に着目。賛同を得て毎年少しずつ、一体的な整備を進めてきた。神社境内に咲く「大洞ユリ」の管理、保存にも力を入れている。

 3回目の今年は23日、集落住民、出身者ら有志13人が参集。大岩周辺の伐採作業と並行して、神社拝殿でしめ縄をない、出来上がったしめ縄を大岩に掛けた。併せて神社と大岩をつなぐ参道で、雪で折れた竹の伐採や、境内トイレの囲い設置などが行われた。

大岩にしめ縄を掛ける作業

 参集者は登山家、庭師など多彩な顔ぶれ。それぞれの得意分野を生かして、整備に貢献した。同神社の遠田成一総代(73)は「安全に掛けていただき、感謝にたえない。神様も見守ってくれると思う」と話した。

 横山区長は参集者の作業と見守りに感謝。「歴史、物語は住んでいる人がつくっていくもの。大岩をご神体と思えば、そうなっていく」と話し、「今後も年1、2回整備して守っていきたい」と願った。

「大岩」周辺の整備作業に参集した住民、出身者ら

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