長崎国際大 薬剤師向けにワクチン接種研修 国の規制緩和見据え

 新型コロナウイルスのワクチン接種を担う医師不足を踏まえ、長崎県佐世保市の長崎国際大は26日、薬剤師向けの接種研修会を開いた。医師法は注射を打てる職種を一部に限定しているが、国は薬剤師らの活用を検討している。同大によると、薬剤師が接種の方法などを学ぶ研修会は「全国に先駆けて」の試みという。
 ワクチン接種を巡っては、河野太郎行政改革担当相が注射を打つ人材の確保策として、薬剤師の活用を検討する考えを示した。同大は、国が法規制を緩和した場合に備えて研修会を企画した。
 県内の薬剤師ら約100人が参加。筋肉注射や副反応について講演した医師の安東由喜雄学長は「打ち手が圧倒的に足りていない」と問題視し、薬剤師も準備をしておくべきと強調した。
 参加者は筋肉注射の練習器具を使い、針を刺す位置や手順などを確認した。佐世保市の薬局に勤務する男性(48)は「薬剤師も注射を打てるようになれば地域のために協力する。ただ、問題が発生した場合に対処できないケースもある。緊急時のルールづくりも必要だと思う」と話した。


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