照葉樹林 身近に感じて 綾にトレッキングコース

照葉樹林を身近に感じてもらおうと、国有林内に新たに整備したトレッキングコース(綾町ユネスコエコパーク推進室提供)

 ユネスコエコパークに登録されている綾町の照葉樹林をより身近に感じてもらおうと、綾町ユネスコエコパーク推進室は同町北俣の国有林内に新たなトレッキングコースを整備した。コース上には自生する木にロープを結び付けたブランコもあり、綾岳と名付けたゴール地点の展望所からは町中心部などが一望できる。同室は今後も新たなコースを整備する考えで、「環境保全意識の向上も見据え、自然体験の機会を増やしていきたい」と意気込んでいる。
 綾岳コースと名付けたトレッキングコースは小田爪運動公園近くにあり、国富町との町境に位置する矢筈(やはず)岳(標高704メートル)までの登山道の一部。同登山道は利用者が少なく、倒木や落ち葉で埋め尽くされていたが、登山愛好家から「観光資源になるのでは」と助言を受け、昨年度から調査を開始した。同室職員らが1年ほどかけて倒木などを除去。3月に九州森林管理局から国有林の使用許可を受け、4月から新コースの管理を始めた。
 同コースは片道約4キロで、起伏が少なく初心者でも登りやすいのが特長。シイやカシなどの照葉樹林の生態系を見て楽しめるほか、コース上の広場にブランコも整備。ゴール地点となる展望所からは、綾町の市街地や宮崎平野が一望できるという。
 コース完成を記念し、今月23日に散策イベントを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。同室は今後もイベントを計画する方針で、入田賢一室長は「ウィズコロナ時代も踏まえ、新たな自然体験活動を通じて、綾の照葉樹林の魅力を伝えていきたい」と話している。

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