小泉環境相、自民議員の質問に「発言の曲解はやめて」 参院環境委で原発論争

小泉進次郎氏

 発言を都合良く解釈するのはやめてもらいたい─。27日の参院環境委員会で小泉進次郎環境相(衆院神奈川11区)が、インターネット番組に出演した際の原子力発電の活用を巡る自身の発言を引用した原発推進派の自民党議員にぴしゃりと注意する一幕があった。公の場で自民議員同士が激しくやりとりするのは珍しい。

 この日最初の質問者として登場した滝波宏文氏(参院福井選挙区)は番組について「大臣もエネルギーや原子力への理解が多少進んだと思った」と“挑発”。「原発を使わなくて済むならその方がいい。ただし移行期というのも必要。一気にゼロは無理だ」などとする小泉氏の発言を引用し「原子力を脱炭素電源として利用するという認識でいいか」と投げ掛けた。

 滝波氏から発言部分を抜粋した配布資料を読み上げるよう促された小泉氏は「最優先は再エネ(再生可能エネルギー)です」と一言だけ答弁。その旨の発言したことを認めるよう重ねられると「もう(ネットでも)どこでも見られますから」と素っ気なく答えた。

 その後の質疑で小泉氏は「ちょっと補足させてほしい」と切り出し、東京電力福島第1原発事故を踏まえ「(原発を)どのように残せるかではなく、どのようにしたらなくせるかという立場だ。自分たちの推進したい方向に発言を曲解するのはやめていただきたい」とぴしゃり。「あれだけの事故を起こした日本にとって脱炭素電源と位置付けられているからというだけで、やみくもに突き進むことはあってはならない」と力を込めた。

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