「自動通話録音機」で詐欺被害防止 長崎県警「固定電話の対策を」 相次ぐ還付金詐欺の被害 設置世帯で効果発揮

固定電話に取り付ける自動通話録音機=県警本部

 今月、還付金詐欺の被害が相次いでいる。長崎県警生活安全企画課によると、27日現在、6件計約500万円の被害が確認され、全て固定電話にかかっていた。同課の調査では、固定電話に取り付ける「自動通話録音機」の設置世帯で、特殊詐欺被害は6年連続発生していない。同課は「不審電話がかかりにくい環境作りをしてほしい」と呼び掛ける。
 還付金詐欺は、市職員などを装い、年金や保険金の払い戻しを口実に現金自動預払機(ATM)に誘い出し、電話で操作を指示して現金を振り込ませる手口。
 昨年把握した被害は1件だったが、今年は既に8件を認知。県内各地で還付金を巡る不審電話が相次いでおり、4月末には県警と佐世保市に1日延べ7件の相談が寄せられた。同課は「特殊詐欺は手口が忘れられたころにまたはやる。役所が電話で還付金の話をすることはない。おかしいと思ったらすぐに相談して」としている。
 自動通話録音機は、電話の発信者に対し「犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」などと警告音声が流れる機器で、市販されている。
 県警は944台を保有。貸し出している743台(1月末現在)のうち、ランダムで抽出した149世帯を対象に各署が調査を実施。結果、設置後に不審電話が「かかってこない」が約66%、「かかってくるが減った」が約32%。警告音声の途中で電話が切られた「撃退率」は約27%だった。
 同課は「固定電話の情報は知れ渡っている可能性が高い。同機の設置や留守電の設定などの電話対策をしてほしい」としている。県警は高齢世帯に無償で原則1年貸し出している。問い合わせは県内各署へ。

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