イタリアンダイニング Aji-to(アジト) 〜 野菜を生かし野菜をおいしく食べられるイタリア料理店。リーズナブルに本格イタリアンのフルコースも楽しめる

普段の食事でタップリと野菜を食べることって、なかなか難しいですよね。

外食で野菜をおいしくたくさん食べられたら、うれしくありませんか。

実は福山市には、野菜をタップリと楽しめるイタリア料理店があります。

それが「イタリアンダイニング Aji-to (アジト、以下 Aji-to)」。

野菜ソムリエの資格を持つシェフが野菜の力を生かして、野菜をおいしく食べられるイタリア料理を提供しています。

ランチではおおむね週替わりで登場する3種類のパスタ、シェフおまかせのリゾットやピッツァなどが人気です。

また夜は完全予約制で、予算や要望に応じてシェフが考えるフルコースが楽しめます。

イタリアンダイニング Aji-toの魅力やこだわりについて、深掘りしていきましょう。

Aji-toは野菜にこだわったイタリア料理店

Aji-toは、福山市草戸町にあるイタリア料理店です。

2011年(平成23年)のオープンで、住宅の多いエリアにあります。

Aji-toの特徴は、野菜にこだわっていること。

野菜ソムリエの資格を保有するオーナーシェフの藤井洋介さんが厳選した野菜を使ってつくった、野菜を生かし、野菜をおいしく食べられるイタリア料理が楽しめるのです。

また、Aji-toは『ミシュランガイド 広島 2013』『ミシュランガイド 広島・愛媛 2018』に掲載されました。

そのうち『ミシュランガイド 広島 2013』では「ビブグルマン」を獲得しています。

ビブグルマンとは、星獲得店以外で押さえておくべきおすすめの店です。

店内は、全22席

吹き抜けのガラス天井があり、店内は明るい雰囲気です。

4人がけと2人がけのテーブル席がならぶ

子供と一緒に座って食べられるキッズルームもあるので、小さな子供連れでも安心です。

キッズルーム

また店内にあるモニターでは、調理風景が見られます。

これは、とてもおもしろい試みです。

また、Aji-toではオリジナル調味料を製造・販売しています。

人気商品「トマスコ」をはじめ、商品は多岐にわたります。

いずれも店内で販売しているほか、Aji-toを運営する株式会社 意食獣エフのオンラインショップ「Moriagirlo」でも販売。

さらに福山市内の一部のスーパーマーケットでも販売しています。

詰め合わせもありました。

贈答品としても最適ではないでしょうか。

Aji-toのメニュー

真鱈の胃袋燻製のせピッツァ (提供:Aji-to)

価格は消費税込。2023年(令和5年)2月時点の情報

Aji-toのメニューは、ランチとディナーに分かれています。

ランチは土・日曜のみで、午前11時〜午後3時までです。

ディナーは毎日午後5時〜午後10時までですが、完全予約制になっています。
前日までに電話で予約をしてください。

ランチメニュー

ランチは、以下のような構成です。

  • パスタ3種
  • 気まぐれピッツァ
  • おまかせリゾット

パスタの内容はおおむね週替わりで、一律1,600円です。

なお一般的なパスタであれば、メニューにないものもできる場合がありますので相談してください。

とある日のランチメニュー
別の日のランチメニュー

ランチは、前菜・ミニサラダ・スープ・ドリンク付きです。
また料金をプラスすると、デザートも付けられます。

ディナーメニュー

Aji-toのディナーは、イタリア料理のフルコースが楽しめます。

価格帯は3,700円〜15,000円です。

予約時に予算や希望のメニュー、希望の食材、苦手な食材、店の利用用途などを伝えてください。

シェフが希望に応じた素敵なメニューを用意します。

また子供がいるときは、子供用のメニューも用意可能です。

Aji-toのおすすめメニュー

数あるAji-toのメニューのなかから、おすすめを紹介しましょう。

「野菜たっぷりナポリタン」は盛りだくさんの野菜が楽しめる

野菜たっぷりナポリタン」は、名前のとおり野菜がたくさん入ったパスタです。

まさに、野菜にこだわるAji-toらしさが楽しめる料理ではないでしょうか。

とにかく野菜がタップリ!

パスタに入る野菜は、時季や入荷状況により変わります。

取材時は、以下の野菜が入っていました。

とても盛りだくさんですね。
しかも、野菜一切れが大きめなのです。

使っているパスタの種類は、フィットチーネという平たい麺です。

フィットチーネにソースがよく絡む

フィットチーネは、とてもモッチリとした弾力のある食感。

ソースはトマトの風味があふれ、さわやかな甘味とほのかな酸味がありました。

ちなみに前菜・スープ・ミニサラダは、以下のとおりでした。

取材時の前菜
  • シシャモの燻製
  • 鴨ハム
  • 鯛とキノコのソテー
  • オニオンスープ
  • ミニサラダ(麹の醤油漬けドレッシングがけ)

ミニサラダには、自家製麹の醤油漬けドレッシングがかかっていました。

「おまかせリゾット」はお米のアルデンテとリゾーニが魅力

おまかせリゾット」は、その日その日でシェフが考えてつくるリゾットです。

トマトクリームの2種類があり、日によってはそれ以外の味があることも。

福山ではリゾットにこだわりをもつ店が少ないと思ったことが、リゾットにこだわるキッカケだそう。

Aji-toに行けばおいしいリゾットが食べられる」という気概で、リゾットをつくっているそうです。

取材時は、クリームのリゾットを注文しました。

野菜がタップリで、華やかなリゾット

雪のように散りばめられた粉チーズも美しく、まるで芸術品のよう。

タケノコやカボチャ(エビスナンキン)、ニンジン、ピーマン、タマネギ、シメジ、ニンニクの芽、カシューナッツなど、たくさんの具材がふんだんに使われているのが印象的です。

とくに取材時は春でしたので、旬のタケノコが入っていたのがうれしい限り!

米はやや芯の残る固めの食感になっています。
お米のアルデンテ」を楽しめるのが、リゾットの醍醐味(だいごみ)です。

Aji-toでは使っている米の品種は「あきたこまち」。

あきたこまちは、お茶漬けの最適種といわれています。
だから、リゾットにも最適なのです。

リゾットに中にところどころ見える、焦茶色のものは「リゾーニ」というもの。
リゾーニは、米粒型のパスタです。

少し焦がしたリゾーニが、リゾットの中に入っています。

リゾーニのモチモチとした食感もありながら、米のコリコリとした歯ごたえもあるのが印象的で、香ばしさも感じられて心地よい風味です。

米とリゾーニの2種類の食感や味わいのハーモニーが楽しめます。

なお、リゾットを食べたときの前菜・スープ・ミニサラダは、以下のとおり。

  • アカエビのソテー
  • サワラの白子の燻製
  • 鴨ハム
  • 枝豆のポタージュ
  • ミニサラダ(麹の醤油漬けドレッシングがけ)

福山ではリゾットにこだわっている店は少ない印象がありますので、Aji-toのリゾットはぜひ食べてみてほしいです。

「水出しアイスコーヒー」はコーヒー本来の香りや苦みが味わえる

Aji-toは、ドリンクでは「水出しアイスコーヒー」にこだわっています。

コーヒー豆は高級なものを専門店から取り寄せ、それを専用の機材を使って12〜3人前を約18時間かけて抽出しています。

水出しアイスコーヒーは、ランチセットのドリンクとして注文できます。

水出しアイスコーヒーを抽出する機材

なお水出しアイスコーヒーは、春〜秋にかけてメニューに登場します。

完全予約制のフルコースは福山で最安クラス

提供:Aji-to

完全予約制のディナーは、イタリア料理のフルコースです。

夜は、メニュー表がありません。

3,700円〜15,000円のあいだで、予算に応じてシェフが内容を考えます。

藤井さんによれば「3,700円からフルコースが楽しめるのは、福山で最安クラスだと思う」とのこと。

提供:Aji-to

電話予約時に予算のほか、食べたいメニュー・食材、食べられない食材を伝えると、対応したメニューをつくります。

また子供といっしょに利用する場合、事前に要望を伝えれば子供が食べやすい料理も準備してもらえるので、安心です。

藤井さんはシニアフードの資格も保有しているので、年配向けのフルコースや、介護食のフルコースも用意できます。

藤井さんによると、利用の用途を聞く理由は、たとえば記念日なら記念日に合わせた料理を、デートならデートに合わせた料理を提供するためだそうです。

また体の不調の有無を聞くのは、健康は食事を通じて得られるという藤井さんのモットーから。

そのため、不調の内容に合う食材を使った料理を提供するそうです。

また食事の際にも、今後の家庭での食事についてのアドバイスもするとのこと。

詳細は、インタビューで紹介しています。

「トマスコ」は人気の万能調味料

Aji-toでは、オリジナルの調味料も製造・販売しています。

そのなかでも人気なのが「トマスコ」(1瓶 491円)。

イタリア産トマトにタマネギ、ニンニク、トウガラシなどが入った調味料です。

しかも、トマスコは無添加
保存料・防腐剤・香料などの添加物は一切使っていません

イタリア料理はもちろん、和・洋・中さまざまな料理に合う、万能調味料なのです。

トマトの甘味とフルーティーな酸味・みずみずしさ、タマネギのシャキシャキ感と甘味、ニンニクの風味などとともに、ピリリと舌を刺激する辛さが楽しめます。

私はカレーに入れたり、パンに載せたりして食べました。

トマスコは店内で買えるほか、市内の一部スーパーマーケットでも販売。

また、Aji-toを運営する株式会社 意食獣エフのオンラインショップ「Moriagirlo」でも買えます。

野菜にこだわったイタリア料理が楽しめるAji-to。

運営する株式会社 意食獣エフの代表でオーナーシェフの藤井洋介(ふじい ようすけ)さんに話を聞きました。

オーナーシェフの藤井 洋介さんへインタビュー

野菜にこだわったイタリア料理が楽しめるAji-to(アジト)。

運営する株式会社 意食獣エフの代表でオーナーシェフの藤井洋介(ふじい ようすけ)さんに、開業の経緯や野菜へのこだわり、今後の展望などの話を聞きました。

インタビューは2021年5月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

開業の経緯

大葉のジュノベーゼ (提供:Aji-to)

──開業の経緯を教えてほしい。

藤井(敬称略)──

料理自体は子供のころから好きで、よくつくっていましたね。

その後、学生時代にバーでアルバイトをしていました。

そこで調理することもあり、将来は飲食店をやってみたいなと思うようになったのが、飲食店を目指したキッカケです。

大学生活も後半になると、単位を順調に取っていたので時間に余裕ができ、アルバイトに費やす時間が増えました。

卒業が近くなると、けっこう貯金が貯まっていたんです。

そこでこの資金を活用すれば、卒業後にすぐに飲食店が運営できると考えたんです。

貯めたお金を元手に融資を受け、大学卒業後に自分の店を開業しました。

ボローニャソーセージとトマトパスタ (提供:Aji-to)

──はじめた店はAji-to?

藤井──

いいえ。出した店は和食バーでした。

ちょうど和食バーが増えていた時期だったんですよ。
なので、私はもともと和食の板前だったんです。

和食バーは、2号店も出しました。

その後、3号店を郊外に出そうと思ったんです。

見つけた物件の形状、立地、周辺にあるお店の種類などから、レストランがいいのではないかと思いました。

そして考えた結果、3号店はイタリア料理店にしようと決めたんです。

それがAji-toでした。
オープンしたのは、2011年(平成23年)8月です。

その後は、Aji-to一店舗体制になっています。

満願寺とうがらしと里芋のオイルパスタ (提供:Aji-to)

──どのようなお客が多い?

藤井──

女性のお客様が大変多いですね。

あと「おひとりさま」も多いです。
おひとりさまは、男女問わず多いですね。

一人でも気楽に食べに来られるのが、当店の魅力だと思います。

夜はカップルやファミリーが多いです。

当店のコースはリーズナブルなので、ぜひ若いカップルに利用していただきたいですね。

野菜の力を生かし、野菜の良さを伝えることが使命

──野菜にこだわりがあるとのことだが、こだわるようになったキッカケは?

藤井──

実は3号店としてオープンするのを決めたときから、野菜にこだわることを決めていました。

理由は、肉や魚に比べて、野菜がおもしろかったからです。

種類も多いですし、ドンドン新品種が登場したり、海外からの新しい野菜が入ってきたり、ブランド野菜が登場したりと野菜の市場は活発なんですよ。

これは肉などにはない、野菜の魅力のひとつだと思います。

ほかの理由としては、野菜の力を生かしたいから。

「医食同源」という言葉がありますが、食は医学と同じくらい大事なことだと考えています。

体の一部に何かの症状が出たときは医学の力。
でも、そうならないようにするのが、普段の食の力だと思います。

ですから、夜のコースの予約があったとき、必ず体に不調なところはないかを聞いているんです。

実際に来店されたとき、不調なことに対して食に関するアドバイスをさせてもらっています。

こういう食生活を心がけてみてくださいとか、こういうレシピのドレッシングをつくって食べてみてくださいとか。

野菜の良さを生かして、みなさまにお伝えしていくのが当店の使命だと考えています。

不調をたくさん話していただけると、いろいろ調べて料理をつくるので、料理人冥利(みょうり)に尽きますね。

とある日のトマトリゾット (提供:Aji-to)

──野菜を生かすうえで、気をつけていることは?

藤井──

野菜の栄養素を壊しすぎないことですね。

野菜の栄養素は、熱を加えると壊れていくんです。

なので熱をあまり入れすぎず、野菜の栄養素を壊しすぎないことに気を使っています。

パスタのゆで加減を表す言葉で「アルデンテ」というのがありますが、アルデンテはパスタ以外にも使われる言葉なんです。

ですから「野菜のアルデンテ」を意識し、野菜の良さや栄養素を生かすようにしています。

商品の販売や料理のプロデュースも

大葉ジュノベーゼ 大ぶりな炙り焼豚のせ (提供:Aji-to)

──オリジナル商品も製造・販売しているが、キッカケは?

藤井──

ひとつは、飲食店という形態にこだわらずにやっていきたかったからです。

もうひとつは、安心安全な調味料を届けたいという思いからですね。

このような思いから、スーパーマーケットの惣菜のプロデュースなどの仕事もさせていただいております。

また「こども食堂」もおこなっているんです。

といっても、一般的なこども食堂とは違います。

親世代に食のマナーを学んでもらうためのイベントでもあるんです。

あとは、子供たちに野菜でスタンプをつくって遊んでもらったり、手づくりのピッツァをつくってもらったりもしています。

子供に野菜への愛着を持ってほしいんです。
愛着がわけば、苦手な野菜も食べられるようになると思うんですよ!

今後の展望

──今後の展望や目標などがあれば、聞きたい。

藤井──

当店は、ミシュランガイドに掲載していただきました。

でも現在、ミシュランガイド掲載のイタリア料理店での最高は、星2つが1店舗のみなんです。

ですから、全国で2例目のミシュランガイド星2つのイタリア料理店を目指したいですね。

Aji-toは野菜を生かし、野菜をおいしく味わえるイタリア料理店

モチモチの生パスタ、こだわりのリゾット、リーズナブルなフルコース、人気調味料のトマスコなど魅力がたくさんのAji-to。

とくに野菜に強いこだわりがあり、野菜をタップリと使ったイタリア料理なのもうれしいポイントです。

野菜ソムリエの藤井さんがつくる野菜を生かしたイタリア料理を、ぜひ味わってみてください。

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