尾道の名物といえば「尾道ラーメン」ですよね。
尾道の街には、尾道ラーメンを食べられる店がたくさんあります。
そのなかでもユニークなのが「牛ちゃん尾道店 (ぎゅう- おのみちてん)」です。
牛ちゃん尾道店は、実はラーメン専門店ではありません。
焼肉店なのです。
でも、ラーメン専門店以上ともいえる本格的な尾道ラーメンが食べられます。
なかでもこだわりは、巨大なチャーシューにトロトロの豚の背脂。
焼肉店ならではの、厳選素材を使っています。
牛ちゃん尾道店の特徴やこだわりなどを紐解いていきましょう。
本格的な尾道ラーメンがおいしい焼肉店・牛ちゃん尾道店
牛ちゃん尾道店があるのは、尾道市中心部の海岸通り沿いです。
牛ちゃん尾道店は、本来は焼肉店。
しかし尾道ラーメンも出しており、本格的でおいしいラーメンだと好評なのです。
また新たに「尾道ラーメン 吾一(ごいち)」という、尾道ラーメンを店に卸したり通信販売をする新事業も始動。
地域のスーパーマーケットや進物店などで尾道ラーメンを販売し、自宅でも楽しめるようになりました。
平日は地元のかた、休日は観光で尾道に来たかたが多く訪れています。
店内は厨房の前にカウンター席、反対側にテーブル席が並んでいます。
奥には広々とした座敷も完備。
個室も1室ありました。
店内は、全席禁煙です。
牛ちゃん尾道店のメニュー
価格は消費税込。2022年(令和4年)11月時点の情報
牛ちゃん尾道店のメインメニューは、ラーメンやサイドメニュー、セットメニューなどがそろっています。
ラーメンは「尾道ラーメン」を看板に、その派生となる「チャーシューメン」や「尾道中華うどん」「スタミナホルモンラーメン」など。
さらに、持ち帰り用ラーメンも好評です。
また「ミニ焼肉丼セット」「チャーハンセット」などのセット・定食メニューも人気。
「日替わり定食」は地元のお客さんを中心に、よく注文されるそう。
日替わり定食の内容は店頭で確認できるほか、牛ちゃん尾道店の公式Instagramでも確認可能です。
そのほか、「からあげ」「揚げギョウザ」などのサイドメニューもありました。
もちろん牛ちゃん尾道店はもともと焼肉店ですので、焼肉も楽しめます。
こだわりの特選和牛の焼肉が人気です。
3種のコースメニューもあり、それぞれ飲み放題付きもあります。
貸切での焼肉宴会もでき、30人から予約可能です。
なお、焼肉は単品メニューもあります。
焼肉メニューについての詳細は、牛ちゃん 尾道店の公式ホームページを見てください。
牛ちゃん尾道店のおすすめ
牛ちゃん尾道店は、尾道ラーメンをはじめたくさんのメニューがあります。
そのなかから、おすすめのメニュー・人気のメニューを紹介しましょう。
「尾道ラーメン」は焼肉店ならではのこだわりが詰まった逸品
牛ちゃん尾道店の看板メニューで圧倒的な一番人気のメニューが「尾道ラーメン」(700円)です
具材はチャーシューにメンマと刻みネギとシンプルで、スタンダードな尾道ラーメンのビジュアルではないでしょうか。
最初に目がいってしまうのが、丼を覆うほどに巨大なチャーシュー。
赤身がメインのチャーシューは、味付けは薄めなので、肉自体の味が楽しめます。
大きいので、食べごたえがありました。
豚の背脂は、大粒のものがたくさんスープに浮いています。
背脂を食べるとトロトロとしたとろけるような食感。
そして、背脂特有の甘味やうま味が楽しめます。
スープは、少し澄んだ焦茶色をしています。
スープを飲むと、まろやかな甘さと醤油の味わい、ダシの奥深い風味、ほどよい脂感が広がります。
背脂の甘味やうま味もスープに広がっていて、絶妙な味わいです。
そして、意外と後口はサッパリとした印象でした。
なお、ネギは京都直送・九条ネギだそうです。
牛ちゃんの尾道ラーメンは、ラーメン専門店以上のおいしさだと思います!
「尾道中華うどん」はまかないから生まれた個性派メニュー
通に人気なのが「尾道中華うどん」(700円)。
尾道ラーメンをベースにし、麺がうどんになったものです。
尾道のラーメン店のなかには、ラーメンの麺をうどんにした「中華うどん」を出す店があります。
しかし牛ちゃん尾道店の尾道中華うどんは、麺がうどんになっているだけではありません。
中華うどん用の具材が入っているのです!
スープは、尾道ラーメンと同じもの。
その中に、牛肉、天カス、刻み海苔、刻みネギ、豚の背脂が入っています。
牛肉や天カスなど、うどんっぽい印象です。
牛肉はタップリと入っていました。
さすが、焼肉店です。
牛肉は、よくある肉うどんのように甘い味付けはされていません。
茹でた牛肉がそのまま入っています。
そのためスープとともに食べるとおいしく、牛肉のうまみ、脂身の甘味が楽しめるのです。
天カスは一般的には、天婦羅の衣ですよね。
実は牛ちゃん尾道店の天カスは、揚げイカ(イカの姿揚げ)の欠片(かけら)なんです!
その分、脂っこくなりすぎないように豚の背脂の量は、控えめになっているそう。
海苔も、意外にラーメンスープと相性抜群。
太めでやわらかめのうどんと、スープ、具材が一体となっておいしいです。
「ミニ焼肉丼」は厳選した国産牛バラ肉とタレの味わいが決め手
サイドメニューで人気なのが「ミニ焼肉丼」です。
ミニ焼肉丼は単品で480円ですが、尾道ラーメンとセットになった「ミニ焼肉丼セット」(980円)もおすすめ。
ミニ焼肉丼は、厳選した国産牛バラ肉とタマネギを特製のタレとともに焼いたものを白米の上に載せたものです。
焼かれた肉の香ばしさと肉のうま味、脂身の甘味、タマネギのシャキシャキとした食感と甘み、ごはんの味わい、そしてタレの甘い味わいが加わってなんともいえないおいしさです。
「レモンからあげ」は瀬戸内産レモンを使った尾道らしいメニュー
取材時(2021年5月)、新登場したメニューがありました。
それが「レモンからあげ」。
名前のとおり、レモン風味の鶏のからあげです。
衣はカリッと音がするほど食感がよくて、香ばしいです。
鶏肉はジューシーで、食べごたえあります。
味付けは薄めで、食べていくと鶏のうま味ともに、レモンのさわやかな酸味が少しずつ感じられてきました。
香ばしさもありながら、サッパリとした味わいで食べやすいからあげだと思います。
なお、通常の「鶏のからあげ」もありました(3個 400円、5個 600円)。
肉にこだわった本格的でおいしい尾道ラーメンが食べられる牛ちゃん尾道店。
店長の仁田雅也(にだ まさや)さんにインタビューをしました。
牛ちゃん尾道店の店長・仁田 雅也さんにインタビュー
肉にこだわった本格的でおいしい尾道ラーメンが食べられる牛ちゃん尾道店。
店長の仁田雅也(にだ まさや)さんに尾道ラーメンを出した経緯やラーメンのこだわり、今後の展望などの話を聞きました。
かつてアルバイトをしていた牛ちゃん尾道店の店長に
──店の開店の経緯、店で働くことになった経緯を教えてほしい。
仁田(敬称略)──
牛ちゃん尾道店のオープンは、1997年(平成9年)です。
私はそのとき学生で、牛ちゃん尾道店の初期のころのスタッフとしてアルバイトをしていました。
学校を卒業してからは牛ちゃんのアルバイトは辞めていたのですが、2000年代後半ごろ、ご縁があって今度は正社員として牛ちゃん尾道店で働くことになったんですよ。
その後、店長を任されました。
売上低迷の打開策として、昔経験した尾道ラーメンづくりに着目
──焼肉店であるが、ラーメンを出すようになったのはなぜ?
仁田──
2010年代前半ごろ、ユッケや生レバーの禁止などの影響もあって、焼肉自体の需要が少し落ち込んでいたんです。
当時、私はすでに店長になっていて、何か売上低迷の打開策はないかといろいろ考えました。
実は牛ちゃん尾道店のアルバイトを辞めて、再び正社員として牛ちゃん尾道店に就職するまでのあいだ、尾道ラーメンの店で働いてラーメンづくりをしていたことがあるんです。
ラーメン店で働いた経験をヒントに、ラーメンを出そうというアイデアを思いつきました。
尾道の名物といえば尾道ラーメンです。
そこで、尾道ラーメンを売上回復の起爆剤にしようと考えました。
ラーメン店で働いていたときにお世話になった製麺所の社長に相談してみると、いんじゃないかということで、やってみようと決意したんです。
オーナーはなかなか首を縦に振ってくれませんでしたが、何度も必死で説明し、やっと了承を得られました。
ラーメンは3年くらい試行錯誤を繰り返した
仁田──
しかしラーメンづくりは数年ぶりで、そんなに簡単にいくものではありません。
中途半端なものを出していたら、オマケで出しているラーメンと思われてしまいます。
本気でつくった本格派のラーメンでないと、お客様は納得してくれないと思いました。
製麺所の社長にヒントをいただきながら、試行錯誤しました。
メニューにラーメンを出してからも試行錯誤は続き、お客様からの声も聞きながら改善を重ねましたね。
多くのかたにおいしいといってもらえるレベルになったのは、ラーメンを始めて3年くらい経ったころだったと思います。
以降はラーメンが大変好評でして、最初は時間限定でラーメンを出していたのが、常時ラーメンを出せるようになったんです。
今では、当店は焼肉よりもラーメンという印象をもつお客様も増えました。
焼肉は平日の夜に、地元の常連のお客様を中心に注文されることが多いです。
ラーメンは昼・夜とも人気でして、平日は地元のかた、週末や祝日は観光で尾道を訪れたかたが多いですね。
こだわりは肉!自慢のチャーシューと豚の背脂
──ラーメンのこだわりは?
仁田──
ラーメンにはいろいろこだわっていることがあります。
とくに、一番こだわったのは肉。
つまりチャーシューと豚の背脂ですね。
当店はもともと焼肉屋ですから、どうしても肉にはこだわりたかったんです。
焼肉屋ならではのネットワークもありますし、ラーメン専門店にはない強みだと思っています。
いろいろな業者さんの肉を食べ比べてみて、一番理想のものを厳選しました。
チャーシューは、初めて食べる人が驚くほど大きなものにしています。
食べごたえ抜群ですよ!
背脂は、とろけるようなトロトロの舌触りが当店の特徴です。
そして、やさしい甘味やうま味がスープにコクを与えます。
ラーメンの小売店への卸や通販をおこなう新規事業を起ち上げ
──今後の展望ややってみたいことは?
仁田──
実は、ラーメンを地元スーパーマーケットなどの小売店に卸したり、通信販売をしたりする新会社を起ち上げました。
「尾道ラーメン 吾一 (ごいち)」という会社です。
まだできたばかりなのですが、新会社の事業を発展させていくのが今後の展望ですね。
新型コロナウイルス感染症の流行もあり、テイクアウトなどの自宅での飲食が定着してきました。
そこで、新規事業を起ち上げたんです。
基本的に扱っているのは、牛ちゃん尾道店で出しているラーメンの持ち帰り商品と同じもの。
これからは、尾道ラーメンの卸事業に力を入れていきます。
お店の味がご自宅で気軽に楽しめるので、ぜひご賞味ください。
尾道ラーメン 吾一 公式Instagram
備後周辺で尾道ラーメン呉一の商品を販売するおもな店舗
- エブリイ(駅家店・緑町店・蔵王店・本庄店・府中店など一部の店舗)
- 尾道ええもんや(尾道市)
- 道の駅 みはら神明の里(三原市)
- 親切ギフトかつはら(竹原市)
牛ちゃん尾道店で肉にこだわったおいしい尾道ラーメンを
焼肉店ならではのこだわりがある尾道ラーメンを楽しめる、牛ちゃん尾道店。
本格的な尾道ラーメンを食べるため、多くのお客さんでにぎわっています。
尾道の街中にあってアクセスも良好なので、仕事や買い物の合間、観光に来たときなどに、ぜひ立ち寄って食べてみてください。
自宅で尾道ラーメンが楽しめる新規事業の「吾一」にも注目です。