川端、漱石らの愛用品がずらり 鎌倉文学館

 鎌倉ゆかりの作家や詩人らが身近に置いた品々を展示するユニークな企画「作家身のまわり」展が、鎌倉市長谷の鎌倉文学館で開かれている。愛用の原稿用紙や万年筆、キセル、虫眼鏡、ゴルフボール、将棋盤…といった品々が並び、来場者を楽しませている。4月17日まで。

 小説の初稿などとともに同館に寄贈された身の回り品を紹介する初めての試み。川端康成、夏目漱石、正岡子規、与謝野晶子、山本周五郎、大佛次郎、小津安二郎といった著名人32人の約80点が並ぶ。

 目を引くのは、川端が随筆にも書いた鎌倉彫の仕事机をはじめ、遺品の少ない周五郎が横浜眼鏡院で買ったことが分かる辞書を見るための天眼鏡(虫眼鏡)。猫好きで知られる大佛の裏地に白猫をあしらった羽織などもあり、いずれも作家の人柄や個性をしのばせる逸品を紹介している。

 小田島一弘副館長は「物だけの文学展というのは、かなり珍しいはず。作家の好きな物や使った物に思いを寄せ、身近に感じてもらえれば」と話している。

 入場料は一般300円、小中学生100円。原則月曜休館。問い合わせは、同館電話0467(23)3911。

© 株式会社神奈川新聞社