慣れない役割で奮闘する秋山「この経験が将来につながればいい」

日本では825試合連続出場を記録するなど不動のレギュラーとして活躍していた秋山翔吾(レッズ)だが、今季は控え外野手兼代打要員という慣れない役割でのプレーを強いられている。地元メディア「シンシナティ・インクワイアー」のボビー・ナイチンゲール記者は、そんな秋山の現状をレポート。秋山は「選手として毎日プレーしなければならないと思っている」と語りつつも「でも、外野手3人の活躍を見ていると、自分自身をスタメンで使うべきかを迷ってしまう。それが現実であり、今の状況だ」と冷静に現状を見つめている。

日本時間5月8日に故障者リストから戦列復帰した秋山がスタメン出場したのは5試合だけ。同17日のロッキーズ戦ではメジャー移籍後初の1試合3安打を記録して打率を.286まで上げたが、それ以降はスタメン出場が2度しかなく、9試合に出場して14打席にとどまっている(12打数1安打2四球)。打撃練習中にスイングの修正を試みても、結果が出るかどうかは試合で実際にプレーしてみないとわからない。「試合に出て、その結果を見たほうがわかりやすい。今はそれができない」と秋山は苦しい現状について語る。

レッズの外野陣は、正左翼手のジェシー・ウィンカーと正右翼手のニック・カステヤーノスが首位打者争いをするほど打撃好調。マイナー契約で加入したタイラー・ネークインも打撃面で存在感を示し、秋山不在の間に手にした正中堅手の座をキープしている。当初、秋山とレギュラー争いをする予定だったニック・センゼルは内野手としての出場機会が増え、ジョーイ・ボットーとマイク・ムスターカスが戦列を離れるなかでネークインは中軸打者の1人として不可欠な戦力となっているのだ。

デービッド・ベル監督は「ショウゴは準備が整った状態をキープするために一生懸命取り組んでくれている。これまでに経験したことがない役割のなかで、よりよい選手になろうと努力しているんだ。もっとコンスタントに出場機会を与えたいし、今後はそうなっていくと思う」と語っているが、レッズのチーム事情を考えると、現時点では強打の外野トリオの一角に食い込むのは難しいだろう。

それでも秋山は腐ることなく努力を続け、試合後には「エネルギーが余っているから」と多くのスイングを行っている。「この経験が将来につながればいいと思っている」とあくまでも前向きに現状をとらえる秋山。実績豊富なカステヤーノスはともかく、ウィンカーとネークインの2人にはシーズン400打席以上プレーした経験がなく、シーズンが進むにつれて秋山の力が必要となる時期は必ずやってくるはずだ。

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