神奈川・三浦市長選 告示直前で小学校統廃合反対派が対抗馬を検討

133カ所に設けられた、三浦市長選と市議補選のポスター掲示板=同市内

 任期満了に伴う三浦市長選(20日投開票)は告示まで10日を切る中、これまでの無風ムードから一転して選挙戦になる可能性が出てきた。

 市が打ち出している小学校の統廃合計画に反対する市民が立候補を検討していることが3日、分かった。

 無所属で立候補を検討している市内の会社員女性(37)は、市長選の事前審査を受けるなど前向きに準備を進めている。

 少子化の対応策として小学校8校を3校に統廃合する市の計画に反対しており、立候補すれば小学校の統廃合問題が争点の一つになるとみられる。

 女性は「一挙に統廃合するのは時代に逆行し、人口減を加速させる。市政に関心を持ち、三浦の将来を考えてもらうきっかけになれば」と思いを語った。

 これに対し、5月7日に無所属での立候補を表明した吉田英男市長(64)は自民党と連合神奈川の推薦、公明党の支持を受けて組織固めを急ぐ。二町谷埋め立て地の売却や魚市場改修などの実績を強調し、歴代市長で最多となる5回目の当選を目指す。

 吉田市長は出馬表明の会見で「市民にきちんと判断してもらえる環境のほうがいい」と述べ、選挙戦に前向きな見解を示している。

 12年ぶりの選挙戦となった前回は自営業の新人と吉田市長の2氏が告示日の3カ月前までに立候補を表明していた。今回は現職の出馬表明も遅く、8年ぶり無投票の可能性が強まっていたが、直前になって流動的になっている。

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