最新版「QS世界大学ランキング」発表、日本の大学半数近くがランクダウン

高等教育の世界的評価機関であるQuacquarelli Symonds社は、2022年版世界大学ランキングを発表した。

マサチューセッツ工科大学(MIT)は、10年連続で世界1位に選ばれ、これまでの連続記録を更に更新。オックスフォード大学が2006年以来、2位に返り咲いた一方で、スタンフォード大学とケンブリッジ大学の2校は同率3位だった。

ランキングには日本の大学48校が含まれており、2021年版よりも7校増加したが、ランク入りした日本の大学の半数近くにあたる23校(47.9%)が前年度より順位を下げた。一方、順位を上げた大学はわずか5校(10.4%)で、東京大学は世界ランキングで順位を1ランク上げて同率23位、アジアの大学では6位という結果に。

そのほか、京都大学(33位)は前年よりも5位上昇し、2011年以降で最高の順位になった。東京工業大学(前年度と同じ56位)は、2009年版で自己最高順位を獲得した以降、その順位を維持。大阪大学は同率75位に順位を下げ、これは同大学にとって当ランキング史上2番目に低い順位。慶應義塾大学は10ランクダウンし201位。早稲田大学(203位)は2019年版で上位200校入りを果たしたが、今回は上位200校には入らなかった。

QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター氏は日本の大学について「QS世界大学ランキングで、日本の大学は苦戦が続いています。日本の後退の主な背景として、研究業績の低下があげられます。20年にわたり知的資本に対する日本の投資が停滞してきたことの結果であり、例えば日本の博士課程に在籍する学生の総数をみると、2003年時点と比べ、ほぼ半数にまで減っています。一方、中国は一貫して博士号の数を増やしており、日本と中国の差は顕著になっています」と問題点を指摘。続けて、「今年の初め、日本では“大学ファンドの創設”が新たに発表されました。これは衰退しつつある日本の研究成果の復活に向けた、希望の持てる一歩ですが、投資開始は2022年以降であり、我々のランキングにおいて成果が目に見えるようになるまでには、そこからまだ数年かかるでしょう」と今後についても述べた。

2022年版QSは、世界の97のロケーションにある上位1,300大学(昨年版よりも145校の枠増加)をランク付けしている。

参考:【株式会社KEIアドバンス】最新版世界ランキングで日本の大学は48%が前年より下降 ~世界標準の大学ランキング『2022年版QS大学ランキング』本日公開~

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