誰でも参加へ袋を常設 春日山城山頂「土の一袋運動」 講座生も実施 上越市

 上越市は上杉謙信の居城、春日山城の山頂に修復用の土を運ぶ「土の一袋運動」を行っている。本年度から、訪れた人が誰でも参加できるように変更し、周知を兼ねて12日の「まいぶん春日山講座」で実施した。

 春日山城は廃城から約400年を経て、風雪により山頂の本丸などで土砂が流出している。運動は城跡を訪れた人が登頂を兼ねて土を入れた袋を山頂まで運ぶもので、平成11年に始まった。同23年に上越教育大から土を運ぶ袋の寄贈を受け、活動の意義を伝えるため地元小中学校や町内会によって行われてきた。

 近年に大雨などの影響で土砂の流出があり、本年度から袋を常設し、訪れた人が誰でも参加できる形式とした。袋と土は三の丸下に設置され、袋は記念として持ち帰ることができる。

 講座は広大な春日山のさまざまなルートを歩いて魅力を発見するもので、年に3回程度開かれている。本年度初めての今回は約25人が参加。市埋蔵文化財センターを出発し、三の丸下で土を詰めて本丸に運んだ。通常は本丸にある木の箱に土を入れるが、今回は流出している本丸東側に敷き詰めて押し固める作業も体験した。

袋に入れて運んだ土を本丸に敷く作業を行った

 同市内から参加した幸村智子さん(55)は「自分が運べる量の土なので、それほど大変ではなかった。保全に少しでも貢献でき、天気もいいので爽快な気分」と話した。

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