アフタヌーンティーのマナーや歴史を知ってティータイムを楽しもう!

アフタヌーンティーとは?

歴史と成り立ち

アフタヌーンティーは1800年代にイギリスで誕生した食文化です。身分に関係なく広まりましたが、貴族の間では社交の場として発達し、マナーや礼儀作法が生まれました。安土桃山時代に豊臣秀吉や諸国大名が熱中した「茶の湯」と似た側面があるといえるかもしれません。また、イギリスでは夜にオペラなどの舞台芸術などを鑑賞する文化があったため、遅くなりがちな夕食に備えてアフタヌーンティーをたしなむようになったとも言われています。一度は高級化がすすんだアフタヌーンティーでしたが、その後簡略化されて伝わりました。

まずは押さえたい基本のマナー

(1)服装

日本でもカフェやティーサロン、ホテルなどでアフタヌーンティーが提供されています。基本的には、レストランに出かけるような服装と考えれば問題ありません。あまりにもラフでカジュアルな格好はマナー違反となることがあり、避けた方が無難です。特にホテルのレストランへ出かけるのなら、ワンピースなどきれいめのスタイルを心がけましょう。いつもより少しおしゃれすれば、気分も上がります。

(2)入店後のマナー

お店にもよりますが、フォーマルな場所では荷物やコート類をクロークで預かってもらえます。声をかけられたら最低限のもの以外をお店の方に渡しましょう。そして、席に案内してもらうのを待ちます。もう少しくだけた雰囲気のお店では、普通のカフェと同じように振る舞えばOKです。あとはアフタヌーンティーセットが運ばれてくるのを待ちましょう。

(3)食べる順番

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ティースタンドに乗っている料理は、下段から上段に向かって食べていくのが基本です。料理の種類は、下段がサンドイッチ、中段がスコーン、上段がペストリー(デザート)という構成がスタンダード。ただし、お店によってはデザートが多めだったり、パンがついていて食事寄りだったりとバリエーションがあります。それでもアフタヌーンティーの席では下段から上段に向かって食べるというマナーの原則は変わりません。

食器の名称

(1)ティースタンド(ケーキスタンド)

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アフタヌーンティーといえば三段式のスタンド。各段にそれぞれ料理が乗っています。狭いテーブルでもたくさんの料理を楽しむために生まれたとされています。手元で選びたいからといってお皿を外すのはマナーに反するのでやめましょう。

(2)ポット、カップ、ソーサー

紅茶を淹れるポット、紅茶を飲むための、カップ、受け皿となるソーサーの3点セットです。

(3)ティーコジー

ポットにおおう厚手の布製品で、紅茶が冷めないように付いてくることがあります。

(4)ホットウォータジャグ

時間とともに濃くなっていく紅茶は、味の変化も楽しいものです。とはいえ、少し濃く出すぎてしまうことも。そんな時に濃さを調節するためのお湯がホットウォータジャグです。

(5)クリーマーと砂糖壺

それぞれ紅茶用のミルクと砂糖が入っています。

お茶を楽しむためのマナー

お茶を飲む時には、カップの取っ手をつまみます。実は伝統的なマナーでは、取っ手に指を通さず、親指と人差し指でつまむのが良いとされています。慣れていないとカップが重く感じられて難しいですが、できそうなら挑戦してみてください。薬指と小指をカップの側面に添えるのがコツです。とはいっても、熱すぎたり重すぎたりして紅茶が楽しめないようでは元も子もないので無理は禁物です。飲む時は音を立てずにカップを傾けて静かに飲みます。

ソーサーを持ち上げて良いのかどうかも悩みやすいところです。テーブルの位置が高い場合にはカップのみを持ち上げて飲み、低いテーブルならソーサーを持ち上げて飲みましょう。また、砂糖やミルクを入れる時にかき混ぜたスプーンは、カップの向こう側に置くと飲みやすいですよ。
アフタヌーンティーでは、お茶はおかわりできるようになっています。茶葉を変えられる場合もあるようです。お店によっては注いでもらうのがマナーなので、お店の方に頼みましょう。くだけた雰囲気のお店では自分で注いでもOKです。

ティーフーズの食べ方マナー

(1)サンドイッチ

@dedemai

サンドイッチをはじめ、料理を取り分ける際はナイフとフォークを使うと上品です。あらかじめ一口サイズに切り分けられているサンドイッチは、そのまま手でつまんで食べます。紙が巻かれている場合はその部分を持って食べましょう。大きめのサイズの場合は、一口分になるようにフォークで固定し、その脇にナイフを入れて切り分けて食べます。

(2)スコーン

中段に置かれていることが多いスコーン。上下に割り開き、ナイフでクロテッドクリームやジャムをつけて食べます。ちなみに、クロテッドクリームとは乳脂肪が多い濃厚なクリームで、バターと生クリームの間のような味わいです。スコーンが大きい場合は一口分をちぎって食べましょう。アフタヌーンティーを代表するお菓子であるスコーンですが、「本格的なスコーンはパサパサ感が気になる」という人もいます。クリームやジャムをどっさりつけると食べやすいでしょう。

(3)ペストリー

ナイフとフォークで取り分けます。焼き菓子などの手でつまんで食べられるものは、手で食べてもOK。ケーキ類は普段と同じく、ナイフとフォークを使って食べましょう。

まとめ

今回はアフタヌーンティーのマナーをご紹介しました。もともと社交の場として発達したものなので、紅茶や料理と同じかそれ以上に、その場を楽しく過ごすことがとても大切です。おおむねのマナーを守ればOKと考えて、リラックスして味わってくださいね。

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