【2021.06.26配信】日本薬剤師会は6月26日に定時総会を開催し、会長演述した山本信夫会長は、「一般国民への接種を進める体制は急務」との見解を示した上で、「(薬剤師に)打ち手としての要請も想定される」として、こうした要請に対し薬剤師会として「即応できる準備を進めている」と述べた。
日本薬剤師会第98回定時総会で、同会会長の山本信夫氏は会長演述を行った。
コロナ禍の状況については、医療関係者のコロナワクチン接種が進んでいる一方、一般国民への速やかなある接種を進める体制は急務であるとの考えを示した。
その上で、「薬剤師による接種は今後の接種の進捗状況をみながら検討するとされたが、今後の状況によっては(薬剤師に)打ち手としての要請も想定されることから、要請を受ける事態に即応できるよう準備を進めている」と述べた。
また、規制改革推進会議で調剤業務の外注や薬剤師の配置基準が議論されたことに改めて反対する考えを表明。
「医薬品の専門職として、効率のために本質的な業務を外注するのは本末転倒」とするとともに、「他の専門職種から本質的な業務に関して意見されることは看過できない」と述べた。「誤った方向に進まないよう、関係方面に働きかけていく」との方針を示した。
同時に、薬剤師が薬局業務を見直し、改善を図っていくことは当然のこととし、「業務の改善には不断の努力を行っていく」と話した。
不祥事の続く後発医薬品に関しては、これまでの薬剤師や医師の努力があったことも鑑み、「1日も早い信頼回復を」と求めた。
スイッチOTC化が議論されている緊急避妊薬に関しても触れ、「社会的な関心も起きている医薬品であり薬剤師として複合的な視点での議論が求められている」とした。「医療用医薬品からOTCへのスイッチという基本的な政策には賛成だが、対象となる医薬品や成分については使用者の健康状態への影響や社会的な影響が十分に検討されなくてはいけない」とし、「やすきに流れることなく、社会要請にも配慮しスイッチ化の判断をあやまらぬよう対応していく」と述べた。
いわゆる反復利用処方箋については、「骨太方針に同会の要望と同様の記載がされたことは、薬剤師会の要望が政府に受け入れられたこと」と評価。
今後の方針については、先ごろ公表した政策提言を「着実に取り組んでいく」とした。