マリナーズの左腕・サンティアゴ 異物使用による初の退場者に

メジャーリーグでは日本時間6月22日から投手の異物使用に関する取り締まりが強化されているが、同28日のマリナーズ対ホワイトソックスの試合で、新たに設けられたガイドラインの下で初の退場者が発生した。退場を命じられたのはマリナーズの左腕ヘクター・サンティアゴ。前日に雨天サスペンデッドとなった試合が3回裏から再開され、サンティアゴは3回裏から2番手としてマウンドに上がっていたが、5回裏途中の投手交代の際に審判団によるチェックが行われ、退場を命じられた。

3回裏と4回裏の2イニングを無失点に抑えたサンティアゴは、マリナーズがテイラー・トラメルの7号ソロで先制した直後の5回裏に一死1・2塁のピンチを招き、レウリー・ガルシアに同点タイムリーを献上。次打者ルイス・ゴンザレスには四球を与えて一死満塁とピンチを広げ、スコット・サービス監督はサンティアゴに代えて3番手JT・シャギワを投入した。

投手交代に伴い、審判団はマウンドからダグアウトに向かうサンティアゴの帽子とグラブをチェック。帽子はすぐにサンティアゴへ返却されたが、グラブのほうはなかなか返却されず、サンティアゴには退場が宣告された。サンティアゴのグラブは精密検査へ送られるようだ。

メジャーリーグ機構は日本時間6月16日に投手の異物使用に関する新たなガイドラインを公開し、同22日から新たなガイドラインに従って取り締まりの強化を開始。サンティアゴはこの規定が適用された初の退場者となった。新たなガイドラインでは、異物使用が発覚した投手はただちに退場を命じられ、10試合の出場停止処分を受けることが定められており、サンティアゴにはこの処分が科されることになる。

なお、元メジャーリーガーのデービッド・セギーは投手の異物使用について「ステロイドよりもゲームに与える直接的な影響が大きい」とコメント。また、トミー・ファム(パドレス)は「僕はゲームをクリーンにプレーしてきた。不正をしようとしたことなんてない。でも、僕が対戦してきた大半の投手は不正をしていたんだ。投手が今回の措置に不満を持つのはわかるけれど、もしバッター全員がコルクバットを使ったら投手は怒るはずだ」と語り、取り締まりの強化に賛同する姿勢を示している。

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