横浜市立大・山中氏、横浜市長選に無所属で出馬表明「カジノ断固反対」 立民が推薦

立憲民主党の江田代表代行(左)とともに横浜市長選への出馬会見を行う山中教授(右)=29日午後4時40分、衆院議員会館

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、横浜市立大教授の山中竹春氏(48)が29日、都内の衆院議員会館で記者会見し、無所属で出馬することを表明した。立憲民主党県連が擁立作業を進め同日、党本部も推薦を決めた。

 市長選の大きな争点の一つであるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致について「カジノよりコロナ対策が最優先だ。断固反対する」との姿勢を明らかにした。

 会見には同氏に出馬を促した同党の江田憲司代表代行も同席。「データサイエンスでコロナ禍に立ち向かってきた。文理双方の分野でのマネージメント能力も高い。正真正銘のカジノ阻止を掲げる候補でもある」と説明した。今後、他の野党やカジノに反対する市民勢力との連携を進めていくとしている。IRの横浜港・山下ふ頭への誘致に反対している横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長とも2人で面会し、「応援を約束いただいた」という。

 山中氏はIRについて「併設のカジノはギャンブル依存症患者の増加にとどまらず、治療コストの増大や治安・教育環境の悪化も招く」と指摘。市政目標については「これまで培ってきた研究者の視点で医療、子育て、教育、介護、経済再生などの課題を丁寧に解決したい。『横浜に住んで良かった』と思ってもらえる行政を展開していきたい」と抱負を述べた。

 山中氏は早稲田大政治経済学部卒業、同大大学院理工学研究科数学専攻を修了。2014年に横浜市立大医学部臨床統計学教室の教授となり、20年から同大大学院データサイエンス研究科研究科長を務めてきた。

 新型コロナ研究でチームリーダーとしてワクチン接種の効果などを検証。米製薬大手ファイザーのワクチンを2回接種した人の約9割が日本国内で確認された変異株の大半に対する「中和抗体」を持っていたとの研究結果を今年5月に発表し、注目を集めた。

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