横浜駅西口の路線価7%上昇 「駅至近の好立地」超高層ビル建設に熱視線

高さ約180メートルの超高層複合ビルの工事現場。右奥には「JR横浜タワー」が見える=横浜市神奈川区鶴屋町

 1日公表された神奈川県内路線価の対前年変動率は、新型コロナウイルスの影響を受けて8年ぶりのマイナスに沈んだ。一方、横浜駅西口の鶴屋町地区は7.0%の上昇と首都圏でも屈指の伸びを示した。評価を高めた最大の要因は、一帯の目玉となる再開発計画にある。

 県内最大のターミナル、横浜駅から徒歩数分。築古のビルやホテルが立ち並ぶ横浜市神奈川区鶴屋町の一角に、つち音がせわしなく響く。

 元々は長距離バスの発着所などがあった約8千平方メートルの敷地で、地上43階、地下2階建ての複合ビル建設が進む。高さは180メートル近くに達し、延べ床面積は8万平方メートルに迫る。横浜市内でも有数の規模となる超高層物件で、2024年3月の完成を見込む。

 その用途は多彩を極める。450戸超の分譲マンションに商業店舗、ホテル、事務所、そして中長期の滞在が可能なサービスアパートメントの機能を併せ持つ。全国で初めて「国家戦略住宅整備事業」に認定され、容積率の大幅な緩和措置を受けている。

 主体となる再開発組合は、地権者の相鉄グループや東急(東京都)などの法人と個人で構成。グローバル企業の進出が相次ぐ横浜中心部にあって、増加が見込まれる外国人就業者をはじめ、高度な技能を有する人材に上質な住空間を提供するとうたう。

 不動産業界からは「駅至近の好立地。マンションの販売が始まれば、問い合わせが殺到するだろう」との声が上がる。

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