糸魚川市官製談合事件 原因究明、再発防止へ 第三者委が始動、初会合

 糸魚川市官製談合事件の原因究明、再発防止などを図る第三者委員会「糸魚川市官製談合再発防止対策検討委員会」の第1回会合が3日、市役所で開かれた。公開で行われ、隣室のモニター会場を含め一般市民2人と市議11人が傍聴した。

 初回は沢田克己氏(新潟大法学部教授)、高橋信行氏(高橋信行法律事務所弁護士)、保科正晴氏(一般財団法人にいがた住宅センター理事)、池田隆明氏(長岡技術科学大大学院工学研究科教授)、唐橋浩輔氏(一般財団法人新潟経済社会リサーチセンター理事)の5人が委員の委嘱を受けた。委員長に沢田氏、副委員長に高橋氏を選出した。

 冒頭あいさつで米田徹市長は、市職員の逮捕起訴にあらためて陳謝。「談合問題の発生を行政執行上の最大の課題と捉えた」と設置理由を説明し「委員の皆さんの幅広い見地からご意見、ご提言を頂きたい」と述べた。

 議事では、市事務局が官製談合事件の概要、市建設工事等に係る入札制度、市職員不祥事防止のための行動指針等、委員会の検討の進め方の4点について説明。各委員が質問、確認を行った。

「糸魚川市官製談合再発防止対策検討委員会」の第1回会合(3日、市役所203・204会議室)

アンケートの実施を要望

 同市の制限付き一般一般入札の現状に関して、工事の平均落札率が97・3%となっている点について沢田委員長は「普通ではあり得ない。競争がないからこういう数字になっている」と見解を示した。予定価格を教唆している点、入札事業者数が少ない点などを問題視し「最高価格(予定価格)を聞きたいというのは、私の経験ではほとんどない。恐らく日本で初めてではないか」とも言及。匿名による登録事業者アンケートの実施を要望した。

 既存の職員行動指針や倫理規定について、沢田委員長は「当たり前のことなのだが、反する人が出る。それをいかにないようにしていくか、事前に発見することができれば、警察に捕まることはなかった」と指摘した。

 今後の検討について市事務局は「公正かつ透明性のある入札・契約制度の構築」「職員の倫理観の向上とコンプライアンス体制の構築」の2テーマと、具体的な論点を提示した。

 委員会は今後、月1回程度実施。年内に方針が示される予定。

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