妙高市下町の新井別院で6月30日、同市の戦没者1691柱を追悼する法要が行われ、主催した妙高市社会福祉協議会(三浦了好会長)と、妙高市遺族会(間島英夫会長)の関係者や来賓約40人が参列した。
法要は毎年この時季に開かれ、全ての戦没者を悼み、世界の平和に祈りがささげられている。コロナ禍以前は200人ほどが参列していたが、昨年から感染拡大防止対策で人数を制限している。
今回は焼香の前に、米国のNPO法人と日本遺族会を通じて返還された戦没者遺留品の伝達式が行われた。昭和20年6月15日に、沖縄本土で戦火に散った矢代地域出身の古川學さん(享年30)の遺族である行雄さん(66)が、寄せ書き入りの日章旗を受け取った。
同市の遺族に遺留品が返還されたのは初めて。日章旗は日本兵が出征の際に家族などからもらい受け、肌身離さず戦ったとされ、米兵にとっては自身の手柄を示す戦利品だったため、多くが持ち去られたという。
行雄さんは「家には(學さんの)石碑があり、お盆にお参りをするだけだったが、あらためて戦争はあってはならないと痛感した。古川家の家宝として大切に保管したい」と話していた。