神奈川県は8日、相模原市内の養豚場で豚熱(CSF)の感染が疑われる事例が発生したと発表した。国の検査で確定すれば、この養豚場で飼育する約4400頭を殺処分する。2018年9月に国内で26年ぶりに豚熱が発生して以来、豚の感染疑いは県内で初めて。
県によると、7日に豚熱のワクチン接種のために県の県央家畜保健衛生所の家畜防疫員が養豚場に立ち入った際、農場主から豚の異常が報告された。1頭が死亡し、複数頭に下痢などの症状があり、いずれもワクチンを接種する前の子豚という。
家畜防疫員が現地を調査し、同衛生所で死亡した1頭と弱っていた生体1頭について抗原検査をした結果、8日に豚熱の陽性反応が認められた。同養豚場では2カ所で約4400頭の豚を飼育しており、国の検査で陽性が確定すれば全頭殺処分となる。
県は8日午後に対策本部会議を開き、今後の対応を協議する。
県内では18年9月以降、野生イノシシの豚熱感染事例が27件あったが、豚の感染は確認されていなかった。