スポーツ犠牲にならぬ時代に 非核平和友好都市宣言推進事業 「平和展」始まる 上越市

 上越市の非核平和友好都市宣言推進事業である「平和展」が9日、同市立高田図書館内の小川未明文学館で始まった。8月15日まで。スポーツと戦争の関わりを伝える資料展示を中心に、戦争の悲惨さと平和の尊さを呼び掛ける。入場無料。開場時間は午前10時から午後6時(最終日は同3時)まで。8月9日を除く月曜、15日、8月10日は休館。

「スポーツと戦争」をテーマに資料が展示された平和展の会場

 今年は東京オリンピック・パラリンピック開催年であることから、平和の下で行われるべきはずのスポーツがかつて戦争に利用され、アスリートが犠牲になったという史実を知ってもらい、二度と悲惨な時代に戻ることのないようにとの思いを込め企画された。

 会場では戦争の激化で「幻」となった1940年の東京オリンピックのポスター原稿や記念品、戦時中の運動会に採用された種目「投てき突撃」用の模擬手りゅう弾などが展示されている。この他、戦地の兵士が家族を案じる手紙の実物資料、広島市の高校生が被爆者の証言を基に描いた「原爆の絵」を展示している。

 同市本新保から訪れた渡辺信一さん(82)は、終戦の半年前に父親が戦死。残された母親と妹と農作業に明け暮れた日々を振り返り、「今の幸せな生活を守るため、戦争はしてはいけない」としみじみ語った。

 会期中は展示資料のガイド会が開かれる。18日は「紙が語る戦争と平和」、25日は「スポーツと戦争」と題し、いずれも午後1時30分から。また、戦争や平和に関する紙芝居や読み聞かせが24日午後1時30分から行われる。

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