弦斎の食育、かるたに 神奈川・平塚のケーブル局30周年

柏手社長(右)と、文やレシピを担当した小林さん

 明治時代のベストセラー「食道楽」などで知られる神奈川・平塚ゆかりの作家・村井弦斎の「食と健康の知恵」が、かるたになった。昨年4月にケーブルテレビの開局30周年を迎えた「湘南ケーブルネットワーク」(SCN、柏手茂社長)が記念事業として製作し、放送エリア内の小学校や公民館などに寄贈。同社は「大人も子どもも楽しみながら食育に役立ててほしい」と話している。かるたは2千円。初版600部は完売し、第2版を製作中。購入希望などの問い合わせは、SCN電話0463(22)1213。

 子どもには/徳育よりも/智育より/体育よりも/食育が先
 鰯(いわし)をば/水気を切って/鍋に入れ/バターで炒(い)るが/何よりもよし

 製作された「食道楽 弦斎食育かるた」は、「食道楽」のほか「料理心得の歌」など弦斎の著作を基にした44首で構成。弦斎が自らの経験から蓄積した食と健康にまつわる知恵が詰め込まれている。

 発案したのは、平塚市在住のフードライター小林美和子さん(55)。元邸宅跡地に整備された村井弦斎公園(同市八重咲町)で開催されてきた「村井弦斎まつり」の実行委員会の一人で、弦斎のレシピや食育の考えを広めてきた。同じく弦斎を番組などで取り上げてきたSCNが、まつり内のイベント用だったかるたに着目。「地元の偉人を広く知ってもらえ、大人にとっても学びが多い」と、開局30周年の記念事業として製作することを決めた。

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