神奈川・秦野の土で尚古園焼 明治の陶工・三浦乾也企画展 軍艦建造、「がいし」試作も

陶工・三浦乾也の作品や業績を展示する企画展=秦野市立本町公民館

 明治初期に、現在の神奈川県秦野市本町地区で活動した陶工・三浦乾也(けんや)(1821~89年)の生誕200年を記念した企画展が、市立本町公民館(同市入船町)で開かれている。尚古園焼と呼ばれる秦野で製作した陶器は今回が初展示という。入場無料で21日まで。

 三浦は江戸末期から明治初期に活躍。幕末の黒船来航を機に造船技術を習得、仙台藩で日本初の西洋型軍艦・開成丸の建造に関わった。

 秦野には、友人で地元の実力者だった梶山良助(1836~1920年)に誘われて1870(明治3)年から5年ほど滞在した。本町地区で梶山が開いた「尚古園」と呼ばれる窯場で、秦野の土を使った陶器「尚古園焼」を製作したほか、陶器製の水道管づくりなどを行った。国内で初めて、電線とその支持物との間を絶縁するための「通信用がいし」を試作したことでも知られる。

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