Society 5.0の未来を実感!スカイツリーで「Society 5.0科学博」開催中 はやぶさ2カプセル展示も

内閣府とJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)は、7月15日から東京スカイツリーで「Society 5.0科学博」を開催しています。約50の企業や大学、団体が参加し、合計200点以上の展示物(実機を含む)が展示されています。

宇宙や海洋、モビリティー、医療、製造、農業、防災、エネルギーなどの各分野の最新研究・最新事例を展示しており、非常に中身の濃い博覧会となっています。目玉となる展示は、JAMSTECの有人潜水調査船「しんかい6500」の原寸大模型「はやぶさ2」の実物帰還カプセルなどが挙げられます。これらの展示を通して、Society 5.0の未来像を目に見える形でアピールし、科学技術の面白さを伝えることが目的となっています。

【▲ 東京スカイツリーの真下でひときわ目立つ有人潜水調査船「しんかい6500」の実物大模型(Credit:筆者)】

■Society5.0とは?

Society 5.0(ソサエティー 5.0)とは、内閣府のホームページによると「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」を言います。

この社会は狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会として第5期の科学技術基本計画で提唱されたものです。Society 5.0で実現する社会とは、内閣府によるとIoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出す」社会であり、これにより日本の諸課題を解決するということです。

【▲ Society5.0で実現できる社会(Credit: 内閣府)】

■Society5.0科学博の展示内容

Society 5.0科学博では、幅広い分野の展示物が展示されています。この記事では宇宙関係の展示に限って、その一部を紹介しようと思います。

宇宙関係の展示は、1階団体ロビーにあります。この場所では主に宇宙と深海をテーマに展示を行なっています。最も見逃せないポイントは、「はやぶさ2」の実物帰還カプセルです。2020年12月に小惑星「リュウグウ」のサンプルを地球に持って帰ってきた「はやぶさ2」の実物帰還カプセルが展示されています。展示は、今回が2回目となり今後全国を巡ります。ちなみに、3月の初公開時に実物だった「前面ヒートシールド」のみレプリカでの展示となっています。こちらは写真撮影禁止ですので、ご自身の目で確かめてくださいね。

また、ギガスターが制作した「はやぶさ2」の実物大模型(たけとよモデル)にも注目です。後方には、ターゲットマーカーやミネルバなどの模型も見ることができます。

【▲ はやぶさ2の実物大模型(撮影: 筆者)】

日本の宇宙探査技術に加えて、ロケットの模型も展示されています。左からイプシロンロケット、H-IIAロケット、H-IIBロケット、そして現在開発中で近々打ち上げ予定のH3ロケットです。またH-IIAロケットやH-IIBロケットで使用されている国産エンジンLE-7Aも展示されているのでそちらもチェック!

【▲ 日本のロケットの模型(撮影: 筆者)】

7月19日までとなりますが、宇宙分野の企業展示ではispace社とAstroscale社が出展しています。

ispace社は同社が開発する月面ランダーの模型を主に展示。さらにAstroscale社は、同社が今年3月に打ち上げたスペースデブリ除去実証衛星「ELSA-d」の模型を展示しています。どちらの会社も現在非常に見逃せないミッションを行なっている、もしくは計画進行中で今後も注目です。

【▲ Astroscale社が3月に打ち上げたスペースデブリ除去実証衛星のELSA-d(撮影: 筆者)】
【▲ ispace社の月面ランダー(撮影: 筆者)】

Society 5.0科学博の開催期間は7月15日から28日で、企業展示は19日(月)まで。会場は主に4つに分かれており、東京スカイツリーの1階ソラマチひろばおよび団体ロビー、4階のスカイアリーナ特設パピリオン、スカイツリー天望回路(別途入場料必要)、千葉工業大学東京スカイツリーキャンパスとなっています。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、17日からは特設ページ上でサイバー展示も始まりました。こちらはメイン展示のコーナー展示品をウォークスルー方式の動画で見学できるもので、9月5日まで見ることができます。

Image Credit: 内閣府 / 写真の撮影は筆者
Source: 内閣府資料(Society5.0)/ Society5.0科学博の開催について / 公式サイト
文/出口隼詩

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