【IR考】ギャンブル依存、実例に学ぶ 横浜市が有識者対談動画を配信

ギャンブル依存症になる背景要因について語る池田さん

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を巡り、横浜市はギャンブル依存症に関する有識者の対談動画を市ホームページで配信している。IRの懸案事項に対する理解を深めてもらうのが目的で、依存症の実例や回復までの道のり、求められる予防や対策について紹介している。

 自身もギャンブル依存症だった山梨県の依存症回復施設「グレイス・ロード」職員の池田文隆さんと、久里浜医療センターの主任心理療法士でインターネット依存の治療・研究に携わる三原聡子さんが対談。

 池田さんは、国内にはパチンコや競馬などのギャンブルがあり、「カジノができるから対策が必要ではなく、既に対策が追いついていない」と指摘。三原さんは、依存症は「根性がない」といった差別や偏見と結びつきやすく、当事者が助けを求めにくくなっているとし、予防啓発や相談機関の充実などを訴えている。

 動画は無期限で配信。市IR推進課は「誘致の賛否とは関係なく、依存症とどう向き合うべきか、まずは客観的に知識を深めてほしい」と話している。

 問い合わせは同課電話045(671)4018。

© 株式会社神奈川新聞社