【なでしこジャパン】準々決勝は“最強”スウェーデン戦 OG大野忍氏が語る「勝算」と「心得」

千金弾を決めたFW田中㊨(ロイター)

サッカー女子日本代表のなでしこジャパンは、1次リーグ最終戦チリ戦(27日、宮城)に1―0で勝ってE組3位で準々決勝に駒を進めた。

0―0の後半32分、FW田中美南(27=INAC神戸)が、ゴール前の混戦から右足で押し込む決勝点を決めてみせた。22日の1次リーグ・カナダ戦でPKを失敗して勝利を逃す一因となったが、「初戦のPKを外してしまったけど、みんなのおかげで取り返せてよかった」。重要な一戦で見事に雪辱を果たした。

いよいよ勝負の決勝トーナメントを迎える。準々決勝で対戦する国際サッカー連盟ランキング5位(日本は同10位)のスウェーデンは、1次リーグで同1位の米国を3―0で撃破した難敵。メダル獲得には勝つしかないが、勝機はあるのか。元なでしこジャパンFWで本紙評論家の大野忍氏(37=WEリーグ大宮コーチ)がポイントを挙げた。

大野氏は「(今のチームは)自分たちの時よりうまさがあると思うし、スウェーデンは決して勝てない相手ではありません」と指摘した上で「優勝したいとかメダルを取りたいとかは捨てるべきです。もしかしたら先のことを考えたことで、この結果(1次リーグ3位通過)につながったかもしれません」と一戦必勝の精神を強調した。

自身がメンバーとして戦った2011年ドイツ女子W杯優勝、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得したときも先は考えていなかったという。「本気でそう思うメンバーがどれだけ多くいるかが、キーになると思います」。世界を制した当時と同じ〝境地〟で強敵を撃破することができるか。

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