上越市の夏の風物詩、直江津祇園祭は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で中止となった。例年は御饌米奉納が行われる29日夜、有志町内が祇園囃子(ばやし)を演奏。街中に笛や太鼓の音が響いた。
あけぼの町内(宮崎日出男町内会長)は住民や出身者ら約30人が集まり、祇園囃子を演奏した。同日夜は直江津連合青年会による八坂神社への合同参拝を実施。神社にお囃子の音を届けようと企画された。子どもたちからの「演奏したい」という思いも実現への後押しになったという。
町屋杏さん(直江津中2年)は「久しぶりに町内の人で集まって、声を聞くことができてとても良かった。(2年ぶりの演奏で)最初は不安だったけど、いい音が出せたと思う」と話していた。
安国寺町内(小林克美町内会長)は安国寺会館前に小中学生約40人が集まり、祇園囃子を演奏。大人たちが子どもたちの勇姿を撮影したり、声援を送ったりした。文化継承と子どもたちの思い出づくりのため、7月に入ってから毎週木曜と土曜に練習会を行った。
宮﨑快君(直江津南小6年)は「去年は祭りがなくて寂しかった。練習は楽しい。2年分の気持ちをぶつけて太鼓をたたきたい」と話した。