〈動画あり〉名立区を駆けるもう一つの聖火 名立まつり代替企画 地区住民でリレー 1964年時のトーチ使用

 東京オリンピックが開催されている中、名立区で1日、前回1964(昭和39)年の五輪時のトーチを使用して「聖火リレー」が行われた。小学1年生から45歳まで同区の住民31人が参加し、6区間1・6キロをつないだ。通りの家々からも住民が出て声援を送った。

名立区の街中を「聖火」を持ってつなぐ子どもたちと伴走者

 名立まちづくり協議会(三浦元二会長)の主催。コロナ禍のため中止となった名立まつりの代替企画。前回五輪時に旧上名立小の児童が制作した壁画の展示と合わせ、開会中の東京オリンピックの応援の意を込め、まちの活性化のために企画した。

 昭和39年の聖火リレーのトーチを用いて火はともさず、火を模したテープを貼り付けた。当時のコースをなぞり、西の新井町から東の小泊まで名立の中心通りを横断した。

 1区間に5~6人がトーチを代わる代わる持ち、ゆっくりとしたペースで6区間をつないだ。幼年野球チームや名立太鼓から多くの子どもが参加した。全区間を一緒に走った名立バファローズの主将、徳田奏空(そうすけ)君(宝田小6年)は「緊張したけど、全部走れて良かった。日本選手はたくさん金メダルを取ってほしい」と望んだ。

 伴走した救護施設「名立園」の職員、亀井大善さん(36)は「皆さん楽しんで聖火リレーをしていたので良かった。地域が盛り上がればと思い走った」と願いを込めた。

リレーの最後は全員で並んでゴール

 沿道には多くの住民が玄関先に出て、拍手を送ったり「頑張れ」の声を掛けたりした。前回の聖火ランナーを務めた牛木一義さん(76、名立区名立大町)は保管してあったトーチを提供し、今回の企画のきっかけをつくった。57年ぶりに再現され、「こうやってつなげることが意義深い。子どもたちが受け継いで走ってくれ、私としてもうれしい」と笑顔で見守っていた。

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