神奈川県立図書館と音楽堂 県重要文化財に 前川國男の最初期代表作

神奈川県立図書館(資料写真)

 神奈川県教育委員会は3日の定例会で、県立図書館と隣接する県立音楽堂(横浜市西区)について、県の重要文化財への指定を決めた。近代建築の巨匠ル・コルビュジエに師事し、戦後モダニズム建築の旗手として知られる前川國男(1905~86年)の設計で、最初期の代表作。多くの県民に親しまれ、高い歴史的価値を持つことが評価された。近く県公報で告示する。

 2施設は内山岩太郎知事(当時)が戦後復興のために推進した文化政策の一環として建設され、同区紅葉ケ丘に54(昭和29)年に完成した。図書館は「中央書庫式」と呼ばれる構造を採用。後に前川が設計を手掛けた国立国会図書館東京本館にも受け継がれた。音楽堂は当時、国内に前例がない中でコンサート専用ホールとして建設され、観客席の内装の下地に木材を用いるなどして優れた音響効果を実現した。

 県教委から諮問を受けた県文化財保護審議会が、7月27日付で重要文化財への指定が適当と答申していた。今回の指定で、県の指定重要文化財は計388件となった。

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