トヨタ ハイラックス、人気の理由は実用性と趣味性が合わさった唯一無二のキャラクター【みんなの声を聞いてみた】

2017年に国内市場に復活したトヨタ ハイラックス。現在、日本国内で新車で買える唯一の国産ピックアップトラックだ。2020年8月にはマイナーチェンジを実施し、さらに改良が行われ先進運転支援機能や安全性も乗用車同等の備えとなった。2021年上期(2021年1月~6月)の販売台数は約6080台と月平均にして1000台のペースと安定した人気を誇る。ハイラックスの何が支持されているのか? ここではSNSで挙げられているみんなの声を紹介していく。

トヨタ 新型ハイラックス Z[2020年8月19日マイナーチェンジモデル]

月平均1000台のペースで売れ続けるトヨタ ハイラックス

2017年9月に久しぶりに国内復活したトヨタ ハイラックス。

旧型を保有し続ける法人ユーザーなどから復活を求める声があったことや、アウトドアレジャーの需要も見込み、タイで製造されるモデルを再導入する形で復活した。

その後は、特別仕様車の追加や一部改良を行い、2020年8月にはデザイン変更を伴うマイナーチェンジを実施。当初は、代替需要をもくろみ再導入されたハイラックスだが、実際には20代・30代の若年層ユーザーが多く買い求めているそうだ。

現行モデルは、2019年の一部改良の際、プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)の機能向上により昼間の自転車、夜間の歩行者検知機能も追加したほか、ブレーキ制御付きレーダークルーズコントロールも設定。さらにレーンデパーチャーアラート(車線逸脱警報)にヨーアシスト(車線逸脱抑制)機能も追加するなど、乗用車同等の先進運転支援機能・安全装備も加えられている。価格(消費税込)は、347万1000円~387万6000円。

トヨタによると、2021年上期(2021年1月~6月)のハイラックス販売台数は約6080台。月平均にすると1000台のペースで売れている計算だ。2020年8月のマイナーチェンジ時では、月間販売目標を400台としていたが、これを大きく上回る結果となる。アウトドアブームによる若年層ユーザーの増加が、台数の上乗せに貢献しているとみられる。

かつてのハイラックスサーフを好む層が乗っている印象

そんなハイラックスについて、SNS上ではどのような意見が飛び交っているのか確認してみた。

まず見受けられたのは、

「RAV4では軟派過ぎるしプラドほど高級じゃなくていいっていうコアな層に刺さった」

「RAV4だと小さいし軟派。けどプラドよりはもう少しライトでスタイリッシュな4WDが欲しい。そんな層にマッチしている」

「かつてのハイラックスサーフを好む層が乗っている印象が強い」

といった声。RAV4以上プラド未満の絶妙な立ち位置、かつてそのポジションにいたハイラックスサーフを求める層から支持されているとする声だ。その上で、

「悪路走破可能で、汚れた荷物も気兼ねなく乗せられる。積載性も非常に高い。アウトドアや、レジャーなどの趣味がある人には強い味方」

「4WD性能も非常に高いが、実用一辺倒ではなく道具的な飾りがある。クルマに対してホビー的なものを求める層の心をくすぐる」

「5メートルオーバーのサイズに1ナンバーとハードルは低くないが、ハマる人にはハマる車」

など、ピックアップトラックという実用性と趣味性が合わさった唯一無二のキャラクターとして支持されているようだ。それでいて誰にでも簡単に所有できないところも通好みなのだろう。

ピックアップ市場に他メーカーの参戦を望む声も

現在、国内のピックアップ市場はハイラックスの独壇場と言っても過言ではないが、やはりファンからは、

「これだけ需要あるのだから、日産、三菱、いすゞなどはハイラックスに対抗できるピックアップを揃えているし、逆輸入して販売すればいいと思う」

「ダットラも復活してほしい」

など、ライバルメーカーからの参戦を望む声が少なくない数で見受けられる。現在、東南アジアでは国産ピックアップトラックが支持されている。たとえばダットサントラックの流れを汲む日産 NP300ナバラや、初代モデルは日本でも販売されていた三菱 トライトン、こちらもかつて日本でも販売されていたファスターやロデオの後継にあたるいすゞ D-MAXなど、日本に導入されていない国産ピックアップトラックは数多い。

国内導入には簡単ではない壁があるのも事実ながら、このままハイラックス一強状態が続くのか? はたまたライバルメーカーからの待ったをかける動きはあるのか? 今後の展開に期待したいところだ。

[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]

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