東京パラリンピックに出場するブータン代表の選手団が10日、事前キャンプ地の星槎大学箱根キャンパス(箱根町仙石原)に到着した。同国は今大会がパラリンピック初出場となり、パラリンピアン3人は「歴史をつくるために日本に来た」と目を輝かせた。
県などによると、選手団はアーチェリーと陸上からコーチ2人を含めた計5人が来日。同国内で新型コロナウイルスワクチンを2回接種しており、羽田空港到着後のPCR検査でも陰性だった。選手団は19日まで同キャンパス内で宿泊し、小田原市の城山陸上競技場などでトレーニングを行う。
ブータンは2017年にパラスポーツの国内委員会が発足し、国を挙げて障害者スポーツ振興に取り組む。女子砲丸投げに出場するチミ・デマ選手(27)は「パラリンピアンになることが目標だった。自分と似たような障害の人、日常を普通に送れない人たちに、ポジティブな意味でやればできることを示したい」と意気込んだ。
男子砲丸投げのギルツェン選手(28)も「(障害で)思いがあっても行動できないことが多かった。今はここにいられることが幸せ」と話し、アーチェリーのペマ・リグゼル選手(33)も「ブータンは小さな国で練習場所も選手もまだ少ない。初めてのアーチェリー選手として頑張りたい」と夢の舞台を心待ちにしていた。
県によると、県内ではこのほか、ポルトガル、英国の事前キャンプが予定されているという。