映画『fOUL』(大石規湖 監督作品)の予告編が完成! 場面写真も解禁!

9月24日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開となるfOUL(1994年6月から2005年3月にかけて活動、現在は休憩中)のドキュメンタリー映画『fOUL』の予告編が完成、合わせて場面写真も解禁となった。

その音楽性と佇まいに言葉が追いつかない、言語での表現が不可能なバンド、fOULが、遠慮なく大さらけ出しのライブを展開する映画『fOUL』。 fOULはアメリカン・ハードコア/パンクと日本独特のメロディ、語彙を融合、どこにも存在しない音楽性で、eastern youthやbloodthirsty butchersとのライブ活動や音源発売、『砂上の楼閣』と題した自主企画ライブを計34回にわたって下北沢シェルターにて主催。また、サンフランシスコ、バンクーバー、ロサンゼルスでの海外レコーディングを行なうなど、1994年から精力的に活動するも2005年突如休憩を表明、そのままの状態で現在に至っているバンド。 鉄壁のリズムと何かがおかしくも掻きむしられるギター、繊細に吠えるボーカルのアンサンブルが「いったい何に遭遇しているのか」表現できない衝撃とともにアンダーグラウンドで絶大な影響を及ぼしたこのfOULを、『MOTHER FUCKER』(2017)、『JUST ANOTHER』(2020)の大石規湖監督がドキュメンタリー映画としてまとめあげた。

このたび解禁となった予告編は大石監督自ら制作。予告編冒頭のボーカル谷口健による「“砂上の楼閣”、久々にワンマンを遂行させていただきます」という言葉が時空を超えてまさにこれからライブが始まるといった趣。だが、次の瞬間「ヒットでもない、ホームランでもない」というテロップが何かがおかしい空気を醸し出し、バンドのライブ映像が映るものの観客の拍手が聞こえると思ったらなんと無音になる。その後も谷口健による言葉が聞こえ、各メンバー紹介のテロップが入るものの、どんどん不安になる作りだ。そしてついには「fOULが始まります」という言葉とともに観客の拍手で終わる。fOULの音は聞こえなかった。

活動休憩に入り16年が経過した現在、fOULの音源はほぼすべて廃盤につき容易に聴くことができないなか、この映画『fOUL』で音楽を聴きに来てほしいという監督の意志が読み取れる作りとなっている。 大石規湖監督は学生時代にbloodthirsty butchersとfOULのスプリット盤LPに出会い、そのままライブに通い詰めながらfOULのコピーバンドを始めるなどfOULの大ファン。ちなみにギターを担当していたという。そして初監督作はそのスプリット盤LPのリリース元であるLess Than TVの魔力に迫った『MOTHER FUCKER』(2017)であり、本作『fOUL』は彼女にとって音楽ドキュメンタリー映画を制作するうえでの究極の対象であるともいえる。 ライブを中心にシンプルかつダイナミックに構築した『fOUL』で、彼女が虜になったバンドの佇まいを観て、音を聴いてほしい、という願いが込められた予告編といえそうだ。

また、映画『fOUL』の公式ツイッターアカウント(@fOULfILM)では「#fOULと私」という企画を実施中。 本作の劇場公開が情報解禁となるや、fOULに対する思い入れ、fOULにまつわるエピソードをファンが続々とツイートするのを受け、熱を帯びたコメントの数々が流れてしまうのがあまりに惜しいという製作側の意向により、「#fOULと私」のタグを付けた投稿を本作のオフィシャルサイトまたはパンフレットに掲載することにした。目安として8月下旬までに投稿されたツイートの中からアーカイブされる。詳細は『fOUL』公式ツイッターアカウントまで。

破格の成功もない。感動のドラマもない。知られざる真実や内幕もない。ここにあるのは未だ色褪せぬ豊潤な音楽、バンドをやる楽しさと喜びだけ。数多ある音楽ドキュメンタリーの在り方に一石を投じる映画『fOUL』は9月24日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開となる。

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