105万人に避難指示 長崎県内 13日以降も大雨警戒

大雨で冠水した国道を走行する車両=12日午後2時14分、長崎市柳田町

 対馬海峡付近に停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で長崎県内は12日、大雨となった。午後8時50分までの24時間最大降水量は長崎市長浦岳279ミリ、島原206.5ミリ、南島原市口之津184.5ミリと8月の観測史上最大。県内の避難指示対象は午後10時現在、計約105万4千人に上った。13日以降も大雨が続く見込みで、長崎地方気象台は土砂災害などに警戒するよう呼び掛けている。
 同気象台によると、降り始めの11日午前3時から12日午後4時までの降水量は雲仙岳298ミリ、長崎市長浦岳292.5ミリ、島原265ミリ、諫早264.5ミリ-など。島原や諫早は8月1カ月の平年値を超えた。1時間最大降水量は諫早77ミリ、長浦岳73.5ミリ、長崎47ミリ、佐世保37ミリ-など。
 県災害警戒本部などによると12日午後5時現在、県内3カ所で崖崩れが発生。長崎市上戸町1丁目では午後2時40分ごろ、民家の擁壁が幅約13メートル、高さ約5メートル、奥行き約5メートルにわたって崩壊した。同市柳田町では国道が冠水し、午後1時すぎから3時半ごろまで交通規制となり渋滞した。
 同本部によると、避難指示は長崎市全域約20万6千世帯40万7千人、佐世保市(宇久地区を除く)約10万3千世帯23万9千人、諫早市全域約5万3千世帯13万3千人、大村市全域約4万4千世帯9万7千人、南島原市全域約1万8千世帯4万3千人-など。
 松浦鉄道(MR)は始発から運転を見合わせ、午後2時ごろ運転を再開。島原鉄道は午後1時ごろから運休した。JR九州では長崎線、佐世保線、大村線で運休や遅延が相次ぎ、13日は特急かもめの始発の運休が決まっている。


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