惜しまれ最後の販売 荻野屋の「峠の釜めし」 拠点の長野店閉店で 高田本町商店街

 「峠の釜めし」で知られる荻野屋(本社・群馬県安中市)は、2016年から行ってきた、上越市本町5での年金支給日に合わせた出張販売を13日で終了した。製造・出荷拠点だった長野市の店舗を31日に閉店するため。最終日は名残惜しさで多くの客が訪れ、用意した120食が約1時間で売り切れた。

上越でも人気がある「峠の釜めし」。用意した120個は1時間ほどで売り切れた

 出張販売は同年、高田本町商店街の販促・催事などを手掛ける高田本町まちづくり(本町5)が「お年寄りに旅行気分を楽しんでほしい」と企画。複数の駅弁を販売したが、峠の釜めしだけが「毎回100個以上売れる人気商品」(同社)として最後まで残った。

 荻野屋は長野市の川中島古戦場そばにある長野店から出張販売を行ってきたが、同店は新型コロナウイルス感染拡大による観光客の激減もあって31日に閉店する。同店の池田正マネジャーは「上越は店から1時間で到着できるので出張販売ができたが、横川(本店のある群馬県安中市)からでは遠くて難しい」と話した。

 最終日は予約も通常の2倍まで膨らんだ。予約した商品を引き取りに来た70代の男性は「販売があるたびに買っていた。大変残念だ」と話していた。

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