1人から感染する人数「実効再生産数」1.05に鈍化 検査遅れの影響も

 沖縄県疫学統計・解析委員会は17日、先週(9~15日)の新型コロナウイルスの新規陽性者4138人を基に、1人の感染者が何人に感染させたかを示す実効再生産数が1.05になると発表した。先々週の1.64と比べて勢いは落ちたが、保健所の業務逼迫(ひっぱく)による検査遅れが影響し、実態を反映しきれていない可能性があるとした。

 今後は持続流行の段階に移行しようとしているとして、今週(16~22日)の新規陽性者は3千~5千人と予想され、速やかに陽性者を減少させなければ「医療サービスが受けられず死亡する患者が多発しかねない」とした。また、入院患者は今週末に800~千人と見込まれ、実際に入院できる700人前後以外は、自宅や施設での療養を余儀なくされる可能性があるという。

 先週の感染者数全体に占める未成年者の割合は23%で、先週まで見られた未成年の感染急増は収まっているという。保健所の疫学調査によると、感染した小学生の推定感染経路は家庭53%、学童クラブ9%、親族5%。中学生では家庭44%、塾9%、親族と友人がそれぞれ3%だった。

 18歳以上の新規陽性者3348人のうち、職業別で最多は建設業188人、次いで飲食店175人、小売店99人、観光業と医療従事者が各52人、介護従事者と保育従事者が各45人となった。介護従事者が増加していることから、高齢者への影響が懸念されるとした。

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