新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、台風シーズンを控え、藤沢市は23日までに、市内全127カ所の避難所の混雑状況をリアルタイムでマップ上に表示するサービスを開始した。市民に安心安全な避難場所を選択するツールとして活用してもらい、密回避につなげる。
市は人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を活用して、レストランや会議室などさまざまな施設の空き状況を収集・配信する情報プラットフォーム「VACAN」を運営するIT企業のバカン(東京都)と連携。今月18日、鈴木恒夫市長と同社の河野剛進社長が協定を結び、同社の空き情報システムを避難所の密回避に応用することになった。
市のホームページからVACANにアクセスすると、地図上に避難所の位置が表示。各避難所に配置された職員が目視や経験に基づく避難者数の見込みなどを勘案し、「空いています」「やや混雑」「混雑」「満」の4段階で入力する。同サービスは全国167市町村で導入が進み、県内では茅ケ崎、小田原市などに続き6例目という。
市は昨年8月、新型コロナ感染拡大を受け、避難所の開設運営マニュアルを策定。避難者を受け付ける段階での健康チェックや基礎疾患のある人や妊婦、高齢者への配慮など現場での対応を定めた。今回のサービスと併せて感染防止の徹底を図る。