【新潟2歳S】セリフォスが豪快に突き抜けてV 2歳王者の「資格有り」

最内から力強く伸びたセリフォス

29日、暑さ残る新潟競馬場で行われた第41回GⅢ新潟2歳S(芝外1600メートル)は3番人気のセリフォス(牡2・中内田)が勝利。勝ち時計1分33秒8(良)。約1馬身の出遅れもなんのその。馬場の最内から豪快に突き抜けてデビューから無傷の連勝を果たした。この先の可能性は? レースを詳細に検証する。

フルゲート割れながらも各競馬場で鮮烈な走りを披露してきた馬が揃った好カード。例年以上に魅力のメンバーに映った今年、函館2歳Sに続く2頭目の2歳重賞馬に輝いたのは中京で新馬勝ちしてきたセリフォス。スムーズさを欠きながら評判高い1番人気馬アライバルを完封した脚力は並々ならないものだ。例年よりも時計を要する馬場だったことを踏まえれば、走破時計(1分33秒8)も水準以上と判断して差し支えあるまい。

「装鞍所からテンションが高く、ゲート内での収まりが悪くてうまくスタートを切れませんでした。返し馬の段階から左に行きたがる面を見せていたので、馬場が悪かったのは承知していましたが、あえてラチ沿いを気持ち良く走らせることに努めました」とレースを振り返った川田。

テンにごちゃついた前走に引き続き、今回も苦肉の策とも言うべきインからの進出を余儀なくされた。「もともと能力の高さを認識していた馬。前半は決していい流れではありませんでしたが、それでも勝ち切れて良かったです」とパートナーをたたえた。

もっとも、ひとつだけツキがあったことを記しておかねばなるまい。直線に入ってもラチ沿いを走らざるを得なかったものの、まずは右側にいたキミワクイーンと馬体を併せる形に。これを抜き去ると今度は先頭を走っていたオタルエバーとの併せ馬に。新潟名物の長い長い直線。本来ならソラを使ってしまう可能性はあったが、最後の最後まで1頭になることなくファイトし続けられたのは大きかったであろう。

今後に向けて矯正すべき点が改めて浮上したとはいえ、左にモタれる馬は右回りのほうがスムーズに走れるもの。暮れのGⅠ朝日杯FS(12月19日=阪神芝外1600メートル)は言わずもがな右回り。2歳王者の資格は十分――。そう印象付けた一戦であった。

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