糸魚川市議会9月定例会 副市長に井川前教育長 教育長は靏本氏に

 糸魚川市議会9月定例会が30日に開会した。会期は9月22日までの24日間。初日に決算認定、条例改正、補正予算、人事案件など24件を上程した。米田徹市長が提案理由を説明した。市長選時の投票依頼嫌疑で市選挙管理委員会から刑事告発を受け退職した藤田年明・前副市長の後任として、前教育長の井川賢一氏(59)を選任する議案が提出され、議会として同意した。任期は同日から4年間。

 併せて空席になった教育長に前教育委員会委員の靏本修一氏(66)を任命する議案に同意した。任期は同日から12月31日まで。

 井川氏は教育長を、靏本氏は教育委員会委員を、共に29日付で辞職した。

 副市長選任に対し、議員の異議は出なかったが、前副市長の辞任に至った経緯については「説明不足」などと追及があった。辞職に伴う退職金の扱いについて、市は告発の結果が出るまで保留していると説明。今後、市民感情等も鑑み返納を求める可能性を示唆した。

 就任あいさつで井川氏は、今回の決断に至った経緯を説明し、市長を支える副市長として「当面は市民の皆さんの信頼回復の取り組みを進めていきたい」と述べた。職員の法令、職務規律の順守、不祥事を起こさせない職場づくりに加え、声掛け等による働きやすい職場環境の実現に意欲。「そのことが職員のやる気を引き出し、しいては市民福祉の向上につながるのでないかとの考えで進めたい」とし「職員と共に市政の発展に寄与したい」と誓った。

 靏本氏は、これまで継続してきた「ひとみかがやく日本一の子ども」の実現などに協力を呼び掛け「微力ではあるが、一歩一歩の取り組みを丁寧に進めながら、『教育のまち糸魚川』と自信を持って語れるような環境づくりにまい進していきたい」と決意を示した。

 【井川氏略歴】糸魚川高卒。糸魚川市青海事務所長、同市教育委員会事務局教育次長・こども課長などを歴任し、平成31年1月1日に市教育長就任。須沢。

 【靏本氏略歴】中京大法学部卒。糸魚川市教育委員会こども課長、同市立糸魚川小校長などを歴任し、平成28年5月20日に市教育委員会委員就任。田海。

井川賢一氏
靏本修一氏

◇教育委員に山本氏任命同意

 新たな教育委員には、前糸魚川市教育委員会事務局嘱託指導主事、元・同市立糸魚川小校長の山本修氏(61)を任命する議案が提案され議会として同意した。

 決算認定に関する審査は、決算審査特別委員会で行う。委員は議長、議会選出の監査委員を除く16人。委員長

に保坂悟氏(公明)、副委員長に利根川正氏(みらい創造ク)を選出した。陳情1件の審査は総務文教常任委員会に付託した。

 米田市長は冒頭、副市長・教育長・教育委員の辞職、職員の処分、新型コロナウイルス感染症、木浦小の統合、令和3年度普通交付税の算定結果の計5点について、行政報告を行った。不祥事への自身の責任に言及し、本議会中に、減給等に関する条例案を追加提案する意向を示した。

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