コウノトリの集団飛来 上越市島田  田んぼのあぜに9羽 距離取って観察・撮影を

 上越市島田の田んぼのあぜに、国の特別天然記念物であるコウノトリらしき鳥が9羽、群れでいるとの情報が上越タイムス社に寄せられた。

 写真を撮影したのは同市木島の齊藤敏夫さん(70)。4日正午すぎ、齊藤さんが所用で外出した際にコウノトリらしき鳥を発見。カメラを取りに自宅に戻り、最終的に9羽いるところを写真に収めた。7日も8羽ほどが確認できたという。

9羽の集団で目撃されたコウノトリ(4日、午後0時30分ごろ、齊藤敏夫さん撮影)

 写真を見た日本野鳥の会会員の勝俣将明さん(八千浦中校長)は、コウノトリで間違いないと回答。勝俣さんは「通常は単体で移動するコウノトリが、9羽一緒に目撃されることはとても珍しい」と驚いた。

 コウノトリの保護増殖や野生復帰の実践を行う研究機関「兵庫県立コウノトリの郷公園」に識別を依頼したところ、2羽が今年、徳島県と兵庫県で生まれた幼鳥と確認。

 新潟県へ飛来したコウノトリは、2005年から今年までに、計16個体が確認されている。同園の担当者によると、コウノトリは幼鳥時、全国を飛び回って餌場やすむのに最適な場所を探索する習性があり、特に9月は活発に動く時期だという。一時的に集団をつくって行動しているのではないかと分析した。

 観察・撮影は、コウノトリが警戒して飛び立つことがないよう、150メートル以上離れて行うよう呼び掛けた。

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