〈動画あり〉第9管区海保本部/海自舞鶴地方隊 災害時に相互援助 直江津港で訓練 「たつぎり」「ひうち」参加

 第9管区海上保安本部と海上自衛隊舞鶴地方隊による相互援助訓練が14日、上越市の直江津港西ふ頭で行われた。上越海上保安署の「巡視艇たつぎり」と海上自衛隊の「多用途支援艦ひうち」、双方合わせて約70人が参加し、災害時を想定した救援物資の受け渡しなどを実施した。

「ひうち」に接舷した「たつぎり」へ支援物資を積み込み。災害時を想定し、スムーズな受け渡しを目指して訓練した

 両者は昭和43年に「海上における災害派遣に関する協定」を締結、令和元年には協定のより詳細を定めた申し合わせ事項を取り決めた。これに基づき昨年8月、新潟港で初めて訓練が行われた。過去には、舞鶴地方隊は平成23年の東日本大震災で、被災者の捜索救助と原子力発電所への冷却水輸送、第9管区は平成19年の中越沖地震で陸上自衛隊と協力し、約4000トンの飲料水を運んでいる。

 訓練では地震で港への被害、津波で水深が浅くなるなどして、「ひうち」が入港できないと想定。「たつぎり」が接舷し、支援物資を受け取り輸送に当たるまでを実践した。接舷までの連絡や準備、実際の手順までを細かく確認。また、マスク着用や適度な間隔の保持、拡声器の使用など、新型コロナウイルス感染症への対策も行った。

 訓練を終え、第9管区海上保安本部警備救難部環境防災課の三階康課長は、近年の自然災害激甚化を課題として「海難、自然災害の経験とスピードを生かし、海上自衛隊の皆さんと協力して対応を強化していきたい」とコメント。海上自衛隊舞鶴地方隊「ひうち」の上野裕二艦長は「昨年に続いての訓練で、いかなる事態にも対応できることを目指している。訓練の成果を生かし、スムーズな連携を目指していきたい」と語った。

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