フードロス解消に一役 大潟区出身・県立大2年 小熊菜幹さん 「ハネモノ」使いPR 大潟区出身・県立大2年 小熊菜幹さん

 新潟県立大2年生の小熊菜幹さん(19、大潟区出身)はこのほど、フードロス解消と県産農作物PRをテーマにしたイベント「天使のハネモノフェスティバル」を新潟市のカフェ「.lagoon20(ドットラグーンツーオー)」で開いた。出荷の際に農家がはじいてしまうB級品の枝豆と桃を使ったメニューを提供した。

来場者に直接、県産農作物の魅力を伝える小熊さん(右)。農家の紹介や県産野菜の魅力を書いたチラシも渡した(提供写真)

 地元・大潟区のレストラン「ビストロ サブリーユ」で地場産野菜の魅力に触れ、直売所に足を運ぶようになった小熊さん。そこでB級品について知り、見た目では劣るものの、味は確かな〝ハネモノ〟を使ったイベントをしたいと準備を進めた。

 会場となったカフェは学生の活動支援を積極的に行っていて、別のイベントで知り合ったオーナーを通じて協力を得た。農家は、フードロス解消に取り組むプロジェクト「rucoto(ルコト)」を主宰する佐藤千裕さんから、枝豆の保苅農園と桃の五十嵐利兵衛農園の紹介を受けた。

 メニューは小熊さんで考え、枝豆はサンドイッチ、桃はアイスクリームにした。サンドにはチーズを加えたり、アイスはレシピの量よりも桃をたくさん入れたりと工夫した。プレイベントで提供した間引きスイカのビール漬けを含め、来場者からは好評で、取り組みを評価する声が聞かれたという

ハネモノを使った「ちびもものふわアイス」(左)と「日焼け茶豆サンド」(同)

 小熊さんは「ハネモノはすぐ手に入るものだと思っていたが、農家さんにとっては失敗作を出したくないという思いがあり、商品化には信頼関係が必要と感じた」という。

 一方で「B級品を出すのは恥ずかしいが、おいしくなっているならロスもなくなるし、いろいろな人に知ってもらう機会になる、と農家さんから言ってもらえた。不安は大きかったが、やって良かった」と手応えを得た。

 小熊さんは1回きりの活動にせず、今後も取り組みを続けたいという。自身がリーダーを務める同大のボランティアサークルでメンバーと協力し、「規模を拡大して実施したい」と次の目標を掲げた。

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